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心身の弱い文系学者の毎日(2)

大変マッチョな研究機関に、ひっそりと生息する女性×発達障害×精神疾患の教授職です。産業医助言のもとにオープン就労しています。心身虚弱なわたしの毎日についてすこし書いてみようと思います。前回は毎日の過ごしかたについて、今回は専門家から受けているサポート+についてです。


精神科主治医: 6年くらいのおつきあい

街のメンタルクリニックに通っています。主治医は昭和医科大学附属烏山病院の精神科の講師で、毎週1日このクリニックに診療にいらっしゃいます。わたしには、発達障害(ASD+ADHD)、PTSD+複雑性PTSDの診断がついていますが、ふだんは診断名のはなしはあまりしません。2週間に1回、10分くらいの精神療法と投薬を受けています。体調のわるいとき(下がりすぎたり、上がりすぎたりしているとき)にモニターしてくださり、環境調整の提案や生活指導をしたり、診断書によって休養させたりしてくださいます。 とてもやさしい先生です。もうすぐ留学してしまうのでお別れです(涙)。保険診療で一回1500円くらい、薬代2500円くらい。

臨床心理士/公認心理師: 6年くらいおつきあい

街のカウンセリングルームに通っています。担当の臨床心理士/公認心理師は、博士号取得者で臨床心理学を専門とし、精神分析と医療人類学を関心とする心理臨床家であり、著作多数の作家でもあります。わたしが出会ったのは6年前で、有名になる前でした。週1回、決まった曜日の時間に50分、心理面接を受けています。セラピーなので甘やかしてもらえません。困ったことがあったり危機の最中にあるときは支持的面接やマネジメント面接になりますが、そうでないときは、つらくて避けてしまっている問題に直面化させられたり冒険させられたりするので、ハードです。面接料金は1回12000円です。治療であり、学びの機会だと思っています。なお、来年4月から週2回に頻度を増やすことになっています。

職場の産業医: 10年くらいのおつきあい

勤務先の研究機関の産業安全室に所属する産業医のひとり、同性の准教授に担当していただいています。ここでは診察や投薬はなく、職場での困りごとについて相談にのってもらうことがメインです。調子をくずしているときはいつでも、安定しているときは2ヶ月1回程度、30分から1時間の時間くらい。どんな仕事をどのくらいやっているのか、何か交渉するときにどの部署の誰にどのように連絡したらいいのか、はたらきすぎていないか、体重に極端な変動はないか、寝ているか食べているかなど。あと同性同士なので更年期の話やマッチョな職場で女性が経験するさまざまな困難について打ち明け話とかもしています。福利厚生の一環、相談無料。

上記の主治医、セラピストとも連携しており、両者からの「診療情報提供書」が届いています。三者の連携をふまえて、合理的配慮や病気休暇、業務量調整など「助言」が産業医を窓口として職場の執行部に伝えられます。また、わたしが職場で急にメンタルを崩して仕事ができなくなったときなども、産業医が介入してくれる流れをあらかじめつくってあります。リスクの事前&事後管理をしています。

ジムのトレーナー、バレエの先生など

医療系ではないのですが、ボクシングジムのトレーナーやバレエの先生にもウェルネスの面ですごく支えてもらっていると思います。ジムにはできるだけ週1回、バレエは月2回くらい通って、自分のからだの具合をチェックし、メンタルをゆるめる時間にしています。「言葉」で相談するわけではないのですが、わたしにとっては、運動をとおしてのコミュニケーションがメンタルの安定に欠かせないものになっています。それぞれ月謝が12000円、チケット1回2500円です。

専門家以外: 緊急連絡できる友人

「困ったときに誰にも相談できない孤独さ」という困りごとがわたしにはあり、セラピストはなんとかもうすこし社会的サポートをみつけようとしたらしく、カウンセリングする中でよく話にでる友人たちのなかから「沖縄の友人」をピックアップしました。「急に具合悪くなることがあるんだけど、そういうときに連絡してもいいってきいてみて」と勧められました。えー、人を頼るのやだー、って思ったのですが、「相手も頼られることはうれしいはず」と背中をおされました。友人はあっさり承諾してくれて、はじめてのLINEともだちができました。いつでも連絡していいんだ、と思うと、逆に孤独感が減り、安心が増して、実際には数週間に1回くらいのやりとりをしています。自殺企図したときに助けてくれたのもこの友人です。

まとめに代えて

だいぶ人に頼ることをおぼえました。そのことによって、だいぶ自立することも覚えてきたように思います。ACEs(逆境的小児期体験)がいくつもあり、破壊され尽くした自分、なにをしたいかわからない自分、受け身ばかりで責任をとれない自分というものに悩まされてきたのですが、人生も後半になってサポートに恵まれて、だんだん自分らしい毎日が送れるようになってきたかな、と感謝しています。自分にも、そして誰にでもある、脆弱性というものを無視しないで歩んでいきたいです。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。




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