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私の読書ライフ〜「読書の秋」は突然に

図書館の予約システム。予約していた本の予約順位が軒並み「あと数人」になっている。嫌な予感がするな。これは、また去年と同じ。強制的に「読書の秋」に突入させられるパターンだ。

今の図書館は、ネットで予約ができるシステムが充実していて、すごく便利だ。私は、このシステムをフルに活用して、常に予約できるギリギリの冊数まで予約している。

とても便利なシステムではあるのだが。いつ順番が回ってくるのかは完全に人任せ、運任せ。予約した中で借りることのできる本がゼロの期間が長く続くこともあれば。何冊も立て続けに、貸し出し可能の時期が重なってしまうこともある。

この貸し出し可能期間が、「え〜、また?」とパニックになってしまうほど複数重なってしまうのが「強制的に読書週間」状態である。長い間順番が回ってこなかった本たちが、なぜか同じ時期に次々と貸し出し可能になってしまう不思議。1年のうちに必ず何度かは、この「強制的に読書週間」を経験することになる。

去年の秋もそうだった。津村記久子さんの「水車小屋のネネ」を筆頭に、あのくらいのボリュームの小説が立て続けに何冊も「貸し出し可能」になった。そのため、私の意思とは関係なくある日突然「読書の秋」が始まったのだった。

読みたい本の順番が回ってこない寂しい状態を思えば、贅沢な悩みではあるのだが。何ごとにも限度というものがある。

気軽に読めるエッセイや実用書  であれば、何冊重なってもさほど困ることはないのだが。「水車小屋のネネ」級のがっつり読み応えがある、分厚い単行本の小説が重なったりすると。いくら読書好きの私でもさすがにしんどい。

そういう本は、例外なく予約がたくさん入っていて。人気の本は、延長不可というのが決まりなので。何冊重なろうと、とにかく頑張って2週間以内で全て読んでしまわなければならない。

人気の本は、数十人待ちなどというのはザラで。市内の図書館に何冊在庫があるのかにもよるが。場合によっては半年以上待たされることもある。人気の作家さんや話題になっている本は、ちょっと油断すると短期間に100人単位の予約が殺到してしまう。

東野圭吾さんの新作ともなると、どれもあっという間に300人〜400人待ちになっていて。そうなると、さすがにもう予約する気にはならない。

だってこれ、順番が回ってくるのはいったい何年先になるのだろう?そこまで待ってでも読みたいのだとしたら。そこまで待てるファンなのだとしたら。これは、さすがに待つより買った方がいいのではないだろうか。と、他人事ながら心配になる。

新刊本は、図書館には、だいたい1〜2ヶ月遅れで入ってくる。東野さんは別格ではあるけれど。とにかく人気作家さんの作品は、入荷されたタイミングで即予約しないと、どれだけ待たされるかわからない。

また、本屋大賞や芥川賞、直木賞などに選ばれると、あっという間に予約者数が跳ね上がるので、要注意である。今年で言えば本屋大賞の「成瀬は天下を取りにいく」や直木賞の「八月の御所グラウンド」がそうだった。

私は、どちらも受賞が決まるずいぶん前に予約していたので、すんなりと順番が回ってきて読むことができたのだが。授賞後の予約数を見て目が点になった。

とにかく、人気の本をいかに早く予約するかが勝負なのだ。ボーっとしていて予約するタイミングを逃し、その勝負に負けてしまったなら。読むのを諦めるか購入するかの二択となる。

図書館に入るまでのタイムラグが待てない「どうしても発売後すぐに読みたい」という作品の場合は、書店に予約して購入する。図書館だけでなく、今は書店もネットで在庫を確認して、取置をしてもらうことが可能なので。これもとても便利だ。

私は、基本、小説もドラマも気に入ったら、セリフの1つ1つまで正確に再現できるくらい、繰り返し読んだり観たりする。

例えば、アガサ・クリスティ。あの赤い背表紙の文庫シリーズ。「オリエント急行の殺人」など、もう何度読んだかわからない。読みすぎて本もボロボロになって、文庫本を買い直す度に訳者が変わっていて。なんとなく違和感を覚えながら読む、ということの繰り返し。

ドラマや映画のノベライズ本も好きだ。これらは、何も考えずに軽く読めるので、寝る前にベッドの中で読むのに最適なのだ。好きなドラマや映画のノベライズ本は購入して、これまた飽きずに繰り返す読む。

一読して満足した本は、すぐにメルカリで売る。メルカリを利用するようになってからは、本をものすごく丁寧に取り扱うようになった。今までは、めちゃくちゃ雑に扱っていて、表紙やページが折れ曲がっていることなどザラだったが。それではメルカリで高く売ることができない。まあ、私の場合。本に限らず、何もかもが雑なのだけれど。反省です。

借りるのではなく買うことを選ぶ本は、「見て楽しむ」も優先している。例えば、これ。見ているだけで、すごく楽しい。

吉田誠治「ものがたりの家」

この本も最初は図書館で借りて読んだ。そして、もっとじっくり眺めていたくなって、結局購入した、というわけだ。

他にも「成瀬は天下を取りにいく」は、図書館で借りて、とても面白かったので、続編の「成瀬は信じた道をいく」は、発売日を待って即購入した。「天下〜」の方も、文庫本が出たら購入する予定だ。

このように図書館を利用して「借りる」→「買う」というパターンになる場合もある。

図書館で本を借りるメリットの1つは、今まであまり縁のなかった作家さんの本と出会えることだ。とにかくここ数年で、本当に色々なジャンルの作品を読んだ。

そうやって出会った作家さんの中で、最近のお気に入りは、青山美智子さん。基本、短編の連作で読みやすいのと、とにかく最後は必ず心がほんわかして終わるので、読んでいてとても心地よい。

このように、年間を通して図書館をフル活用している私だが。たまにイライラしてしまうことがある。

それは、予約順位が「あと1人」まで迫っているのに、そこから何週間もフリーズ状態で、なかなか私の番が回ってこないことだ。

その本が大長編の小説で、読むのに時間がかかりそうなものならまだしも。簡単に読めそうな  ハウツー本だったりすると、思わず「早く返せよ」と心の中で毒づいてしてしまう。

私自身は本を読み終わったら、期限がくるずっと前にさっさと返してしまうことが多い。なので「この人もう期限をとっくに過ぎているんじゃない?」というくらいなかなか返却しない人に、余計にイラっとしてしまうのだ。

しかし、よくよく考えると。すぐに返却できるのは、私が無職で「無限の自由時間」という無敵の武器をもっているからにすぎない。誰もが私と同じように、「毎日が夏休み」状態で自由に過ごせているわけではないのだ。

皆さん、きっと忙しい中、寸暇を惜しんで本を読んでいるのだろうし。たとえ読み終わったとしても、平日は仕事があるために、返却に来る余裕がないということも十分考えられる。

思わず舌打ちをしそうになった心の狭い自分を反省する。無料でこんなにたくさん本が読めるというのに。贅沢を言ってはいけない。

そして、今現在の予約順位の推移を見ると、もうじき今年も、「強制的に読書の秋」状態に突入してしまいそうだ。

ここ数週間は、どの本も全く順番が回ってこなかったというのに。来週あたりから一気に何冊分も「ご予約の本がご用意できました」という通知がやってきそうな状況なのだ。ちょっと、これは今から覚悟が必要かもしれない。

毎年、突然やってくる「強制的に読書の秋」。11月は、プチ断捨離と読書で、おうち時間を充実させよう。

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