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「杉本博司 アートの起源」展  丸亀市猪熊玄一郎現代美術館(2010〜2011年に開催 )

展覧会概要

現代美術作家の杉本博司が、丸亀市猪熊玄一郎現代美術館で2010年から2011年にかけて開催した展覧会です。
本展は「アートの起源」というテーマを、科学、建築、歴史、宗教という4つの視点で構成されたものでした。


展示期間

1年間にわたって4つのテーマで連続開催されました。
第一部 化学 2010年11月21日〜2011年2月20日
第二部 建築 2011年3月6日〜5月15日
第三部 歴史 2011年5月29日〜8月2日
第四部 宗教 2011年8月28日〜11月6日

全体の展示
ひとりのアーティストが1年間にわたり、連続で展覧会を開催する斬新なものでした。
以下はテーマごとの開催概要を簡単にまとめたものです。

・第一部 科学

科学を通じて自然への畏れを覗く感じがしました

■主な作品
・《放電場》シリーズ
・《観念の形》
・《偏光色》シリーズ

●美術館サイトより「科学」


・第二部 建築

無限大の2倍という撮影焦点は建築の装飾を溶けさせ、建築家が脳内でイメージした姿を出現させるという「建築」作品シリーズを中心に構成

■主な作品
・《建築》シリーズ
・《陰影礼賛》
・《反重力構造》

●美術館サイトより「建築」


・第三部 歴史

蛸壷的では無い歴史を俯瞰させたアーティストの視線を感じます

■主な作品
・《ジオラマ 》シリーズ
・《肖像画》シリーズ
・《スカルプチャー》シリーズ

●美術館サイトより「歴史」


・第四部 宗教

4つの連続した展覧会に通底する共通テーマと言えるかもしれません

■主な作品
・《海景》シリーズ
・《十一面観音立像》(平安時代)
・《海景五輪塔》
・《仏の海》

●美術館サイトより「宗教」


関係書籍「アートの起源」(新潮社)

アートが今できることは、思いだすことかもしれない、
人が人となったころの記憶を。(なんだかカッコいい)

■書籍「アートの起源」序文より作家の言葉 

私は一年間に亘って、丸亀市猪熊玄一郎現代美術館で開催された「アートの起源」展のカタログとして、その図像をカタログ化しながら、その作品をかたちづくるイメージが、言葉によって触発されたことも、併記するために、図録でもなく、評論集でもない、詩集でもなく、独白でもない、ないかを、ここに上梓することにした。
内容は展覧会開催の数年間前から展覧会に至るまでの出来事が、糸を手繰って紡がれるような流れが感じられるものです。

アートの起源」杉本博司 2012年新潮社 序文より
 

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)

駅前広場より撮影

MIMOCAは、丸亀市出身である猪熊弦一郎の画業を顕彰して、その名前を冠した美術館です。設計は谷口吉生(1937〜2024)が設計した建物です。名作のひとつと数えられ、丸亀駅前に圧倒的な存在感で鎮座しています。

いのくまさん

展示室も広くて展示し易そうな美術館です。
杉本さんも高く評価している美術館です。
自身が展覧会を開催した名美術館の採点をしており、満点の星5つをつけています。

丸亀駅前のミニ都市計画として、真っ先に建てられたこの美術館は、駅前広場と一体化して都市の顔になった。バブル後に他の計画は破棄されたが、この建築から世界に谷口様式が伝播されていった。竣工後の運営も含め、美術館のあるべき姿を提示している。

「空間感」杉本博司 2011年 マガジンハウス

まとめ

この頃もまだ美術展の会場内は写真撮影禁止の時代でした。

市猪熊弦一郎現代美術館で2010―2011 年に開催された「杉本博司 アートの起源」展を振り返りました。

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