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alexandwrites
2020年2月23日 12:19
衝動に駆られた、巡り逢いだった。まだ肌寒さが残る春。私は、見ず知らずの男と二人で旅をした。岐阜の隠れ宿である。宿の最寄り駅に続く、ローカル線の乗り口で待ち合わせた。それが、二人の初対面だった。彼は、静かな"間(ま)"の持ち主で、話していてもいなくてもすっと身を委ねたくなる、心地良いリズムのある人だった。電車の座席に腰掛け、揺られながら話していると、ふと何かを思い出したか