カスタマーセンターのDXは顧客視点で構築されているか?
はじめに
ここ数日、クレジット会社や公共サービスなどに問い合わせる必要があって、カスタマーセンターに電話をかける機会が数回ありました。
皆さんも経験したことがおありかと思いますが、大体最初に機会音声で問い合わせ内容の種類によって次にタップする番号を指示されます。以前はこの行程を2.3回も繰り返して解決しなければ人間のオペレーターに繋がる選択肢を提示されたものです。
が!
掛けた相手が悪かったのか、最新のトレンドなのか、いつまで経ってもオペレーターと話せません!
いや、おかしいよね?FAQ(よくある質問)では解決しないから電話してるのに、何故私の聞きたいことにかすりもしない質問の選択肢を延々聞かされなきゃいけないの?
と1人切れました。
ちなみにチャットボットにも聞いてみましたが、「そのご質問はこちらでは受けかねます。オペレーターとお話しください」
とにべもなく断られました。
カスタマーセンターのDX
切れましたが、これはカスタマーセンター側にとっては進歩なんだな、と思い直し、従来のカスタマーセンターの問題とその解決策について調べてみました。曰く↓
【DX化の身近な例としてはカスタマーサポートのAI化が挙げられます。これまではお問い合わせがあれば人間がひとつずつ対応していましたが、現在は自動音声システムやロボットが自動で回答するチャットシステムが増えてきています。これにより、カスタマーサポートで働く従業員の業務負担が軽減できたり、コストの削減につながったりと企業としても大きなメリットを享受できるようになったのです。】
やはりそうですね。カスタマーセンター側にとっては、大量の質問に対応する必要もなくなり、負担解消。人手不足にも対応できますし、良い事尽くしでしょう。
ですが、カスタマーエクスペリエンス、最悪です。もう少し電話をかけた側のことも考えた改善策を考えていただきたい。階層は深すぎるし後戻りも出来ないとかあんまりじゃないですか?
改善策の改善策
ここから、勝手に改善版改善策を考えていきたいと思います。
まず第一に、自動音声と人間のオペレーターとの早い段階での対応の交代タイミングを設定すべきでしょう。
初期対応は自動音声案内で構いませんが、ある程度の質問を経ても解決に至らない場合は、速やかに人間のオペレーターに繋ぐ仕組みを導入すべきでしょう。例えば、3回程度の選択肢提示で解決しない場合は自動的にオペレーターに転送するなど、明確な基準を設けるべきでしょう。
第二に、自動音声案内の応答精度を向上させる必要があります。現状では一般的な質問にしか対応できていませんが、過去の問い合わせデータを蓄積、分析し、より詳細な回答パターンを用意することで、顧客満足度を向上させることができるはずです。
第三に、ユーザーの操作履歴を活用した効率的な案内システムを構築します。
例えば、過去に同様の問い合わせをした履歴がある場合は、その時の解決方法を優先的に提示するなど、顧客一人一人に合わせたカスタマイズされた対応が望ましいでしょう。
今後の展望 まとめに代えて
確かに企業側のコスト削減は重要ですが、それは顧客満足度を犠牲にしてまで追求すべきものではないと思います。むしろ、自動音声案内とオペレーターそれぞれの長所を活かしたハイブリッドな対応こそが、真の意味でのDXではないでしょうか。
結局のところ、カスタマーサポートの本質は「顧客の問題解決」にあります。その本質を見失わず、テクノロジーを活用しながら、より良いサービスを提供していく必要があります。企業側の効率化と顧客満足度の向上の両立こそが本来カスタマーサポートに求められる姿だと思うのです。
今は過渡期というなら、私たち利用者もある程度の我慢は必要かもしれません。しかし、より良いサービスを求める声を上げ続けることで、企業側も改善に向けて動かざるを得なくなるでしょう。それこそが、真のカスタマーエクスペリエンス向上への近道なのかもしれません。