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花相の読書紀行№.130『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』
宇江佐真理さんのデビュー作、人情捕物ばなし。
【幻の声 髪結い伊三次捕物余話】/宇江佐真理 2018.10.13
<あらすじ>
本業の髪結いの傍ら、町方同心のお手先をつとめる伊三次。芸者のお文に心を残しながら、今日も江戸の町を東奔西走…。伊三次とお文のしっとりとした交情、市井の人々の哀歓、法では裁けぬ浮世のしがらみ。目が離せない珠玉の五編を収録。選考委員満場一致でオール読物新人賞を受賞した渾身のデビュー作。
目次
・幻の声
・暁の雲
・赤い闇
・備後表
・星の降る夜
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★感想
作家“宇江佐真理”さんは、北海道の函館に生まれ、OLを経て主婦となり、1995年に『幻の声』でオール讀物新人賞を受賞しデビユーしました。
そしてこの連作短編集『幻の声』がデビュー作であり、髪結い伊三次捕物余談シリーズの1作目となります。
本作は、時代劇ミステリ、人情溢れるストーリーは5編からなる短編集。
廻り髪結いを仕事としている伊三次の朴訥とした人柄、その副業が町方同心の下働。事件解決に奔走する伊三次が本作の主人公です。
そんな伊三次に心を寄せる深川芸者のお文、二人を中心に江戸っ子たちの暮らしが情緒豊かに描かれています。
ちょっとした時間で読めて、捕物帳なのに登場人物が皆な良い人。時代小説はこんなところから入ってみるのも良いかも。
それにしても江戸下町の男たちはみな、女の尻に引かれっぱなし!(笑)