20220811北八ヶ岳登山&苔ツアー
今年の山の日は、登山が好きな母と2人で北八ヶ岳へ行きました。
いざ準備
これまでに日帰り登山は何度か経験しましたが、今回は初の宿泊。
近くのモンベルで店員さんと相談しながら、いつもより念入りに準備を進めました。
準備したものは以下の通り。
せっかくなのでイラストにしてみたものの…
頑張って描いたにも関わらず、字が汚くて読めないので、主要な部分だけ書き出してみました。
リュック (30L):キトラパックの女性用をモンベルで購入。ロールアップ式でとても使いやすい!シックな紺色もお気に入りです。
着替え一式:スポーツ時に使用する速乾性の素材がおすすめです。(綿だと汗が飛ばず、ジメジメしまうらしい)
防寒着・雨具:軽くて嵩張らず、かつ動きやすいものを選びましょう。私はモンベルでいずれも購入しました。折り畳み傘は普段使っているものを持参しました。夜間や悪天候時に備えて、ヘッドライトも。
タオル:嵩張らず、かつ首にも巻きやすいスポーツタオルがおすすめです。今回は入浴できる山小屋に泊まったため、多めに持参。
洗面具一式:歯ブラシ・コンタクト液・スキンケア用品など…。山では石鹸や歯磨き粉が使えない場合が多いので事前の確認が大切です。今回は拭き取りシートやシートマスクを使用し、ゴミは持ち帰るようにしました。
地図:スマホのGPSが使えなくなった時用に。ただしコンパスは今回持参し忘れました……。
メイク道具:ほぼ要らないけど、眉毛くらいは描いておこうかなと…。日焼け止めは強力なものを2点、からだ用と顔用で用意しました。(私はアネッサとビオレのアスリズムを使用)
常備薬・生理用品等:絆創膏や虫除けスプレーなども必ず持っていきましょう。コンタクトが使えなくなった時のためのメガネなども。マスクの替えも大切。
食料:水や飴、チョコレートなど。私は途中で足を攣ってしまい、次回からは塩飴も持っていこうと思いました。
貴重品:すぐに取り出せるようウエストポーチに入れて。山の上は現金しか使えない場合が多いので、小銭など気持ち多めに持っていくといいと思います。あとは保険証。
スマホ・モバイルバッテリー:旅の必需品。しっかり充電しておきましょう。YAMAPというアプリもおすすめです、スマホ勢なら必ず入れよう…!(GPSでルートと居場所を教えてくれる)
こんなもんでしょうか。
頻繁に使うものをリュックの上に詰めるよう心がけて、旅支度を済ませました。
1日目 (8/11 出発〜麦草峠〜丸山〜高見石〜白駒の池)
お盆シーズンの電車を舐めきっていて、危うく特急券を取り逃がすところでしたが、なんとか前日に始発の特急あずさを確保しました。ああ良かった…。
早朝、最寄り駅を出発し、茅野駅まで移動。
茅野駅に到着すると、すでにバスの乗車券を買う行列ができており、急いで私たちも並びます。
茅野駅ー麦草峠間の往復乗車券を購入し、バス待機列へと移動。
バスが到着する頃にはなんと、15mくらいの長蛇の列になっていましたが、さすがは山の日、臨時バスのお蔭で全員椅子に座ることができました。
バスに乗って約70分、終点1つ前の麦草峠駅で下車して、準備運動。
近くの麦草ヒュッテで登山届を提出し、11時、いざ登山開始です。
今回計画していたルートは以下の通り。
https://yamap.com/activities/18985241
麦草峠駅から丸山へ向かい、そこから高見石小屋でお昼ごはん。
その後、白駒の池まで下り、池周辺を散策する計画です。
麦草峠から丸山までは約50分、比較的短いルートなので安心していたのですが。。。これが大誤算。
(初心者2人にとって) 凄まじい急斜面が広がっており、お昼ごはん地点の高見石に着く頃には、両者共にヘトヘト。休み休み向かったため、大体70分もかかりました。
丸山頂上も木々に覆われていて、達成感は薄く…。
そそくさと抜けて高見石小屋へ。
高見石小屋には、大体12時15分ごろ到着。
お昼ごはんには、高見石小屋で有名な揚げパン!
人気商品のため売り切れが心配でしたが、無事に間に合いました。
その後、高見石からの景色を堪能し…(岩をよじ登って行くため、結構怖い)
13時、次の目的地の白駒の池へと出発しました。
白駒の池までは下り道でしたが、岩が多くまた前日に雨が降ったこともあり、何度も足を掬われそうになりました。
13時40分。池のほとりにある白駒荘でソフトクリームをぱくり。
(食べてばかりいる…)
火照った身体を適度に冷やしてくれます。
白駒荘ではケーキセットも提供しているらしく、なんと食用ほおずきを使ったケーキも!
次来たときに挑戦したいです。
ソフトクリームを食べ終わったあとは、池の周辺を散策しつつ、
早々と宿泊地へと向かいました。
今回泊まった山小屋は青苔荘(せいたいそう)。
白駒荘と同じく、白駒池のほとりに位置する山小屋です。
朗らかで気さくなおじいさんが出迎えてくれました。
暖かいお茶とお菓子をいただきつつ、山小屋での過ごし方や注意事項を聞き、部屋へ向かいます。
その日宿泊していたお客さんは、私たちを含めて5人。
小屋の外にはテントを張るスペースもあったため、それを含めると20人くらいでしょうか。
お部屋は大体6畳、年季は入っているものの、小ぢんまりとした綺麗なお部屋でした。(部屋の写真は撮り忘れたよ…)
夕食は17時半から。
私たちは16時過ぎには到着していたので、夕食前にお風呂に入らせてもらいました。
山小屋では珍しく、湯船に浸かることができます!癒される〜。
シャンプー等は使用できないため、お湯で汗を流す程度でしたが、とてもさっぱりしました。
入浴後、部屋でゴロゴロしていると、館内放送が入ります。
食堂へ向かうと豪華な夕食がどん!
山菜の天ぷらや名物きのこ汁、あゆの塩焼きなど、山の幸を十二分に堪能できる素晴らしい食事でした。もちろん完食!おいしかった〜!
その後は、歯を軽く磨いたり(もちろん歯磨き粉も❌)、シートマスクなどでスキンケアをして、さっさとお布団に入りました。
19時過ぎにお布団を敷いて、大体20時過ぎには寝ていたかな。
携帯の電波も届かないので、良いデジタルデトックスになりました。
2日目 (8/12 苔ツアー〜麦草峠〜帰宅)
翌日は大体4時ごろに目覚めました。
予想を超える大きな雨音に、気分は億劫だったのですが、
二度寝をした6時頃には、無事に上がっていました。
7時からの朝食に間に合うように身支度を整えて、食堂へ向かいます。
朝ごはんは、数が豊かな副菜とご飯とお味噌汁。
とっても可愛いコケ丸 (※後述) が刻印されたハムもありました!
朝食を済ませた後は、池周辺を軽く散歩したり、
9時のチェックアウトに間に合うように、荷物を整理したりしました。
今日の予定は、とっても楽しみにしていた苔(コケ)ツアー!
山小屋のオーナーさんが2時間たっぷり、北八ヶ岳のコケを説明してくれる、大変贅沢なツアーです。
コケの生態や特徴について、北八ヶ岳周辺の地形の特徴を絡めて解説してもらいながら、白駒の池をぐるっと一周しました。
(頂いた資料が大変分かりやすく、それだけで参加費の価値があると思います。)
せっかくなので今回は、特にお気に入りのコケを紹介したいと思います。
こちらはもののけの森。
まるで某ジブリ作品の世界観のような、幻想的な景色から名付けられました。
この付近には、地面を這うように広がるイワダレゴケ・タチハイゴケの群生が見られます。
これらは一年に1枚新葉を付けるため、上から数えれば何年前の葉っぱか判断できるそうです。
また、この2つのコケは仲良く一緒に群生している姿が見られるそうです。
手のひらで優しく触れてみると、ひんやりふわふわ、とても気持ちが良い〜。
お次はスギゴケの仲間。
大きい方がセイタカスギゴケ、少し小さく深緑色の方がコセイタカスギゴケです。
昨晩の雨粒を十分に吸収し、わずかに入る太陽光を反射する姿、私が抱いていたコケの概念を覆すくらい大変美しかったです。
一面に広がる姿は、高級絨毯のようで、できることなら寝そべってごろごろしたいな〜なんて思ったり…。
セイタカスギゴケは大きいものだと20 cmまで成長し、また根の部分 (正式には仮根)も合わせると40 cm超のものもあるんだとか。
お次は、ヒカリゴケ。
奥で緑色に光ってるのが分かります?
コケの赤ちゃん (※原糸体) の細胞が球状の形になっていて
それがレンズのごとく、光を反射しキラキラと光って見えるのだそうです。
蛍光タンパク質かと思いきや、そうではないんですね。
光の反射だけでこんなにきれいに見えるんだから、やっぱり自然ってすごい…。
最後にこちら。
オーナーさん"最推し"のムツデチョウチンゴケ。
これだけは覚えて帰って!と念を押されました笑
オーナーさんが推すのも納得、なんとこちらは日本の固有種。
一般的なコケは、胞子体 (上の提灯部分ですね) を1年に1-2本しか出しませんが、このコケは5-6本も出すことから、「六つ出 提灯 ゴケ」と名付けられたそうです。
またこのコケは、たくさん見かけたかわいいキャラクター「コケ丸」のモデルでもあるそうです。
コケ丸とは、北八ヶ岳周辺の苔の森のイメージキャラクターで、周辺の山小屋では、コケ丸のグッズがたくさん並べられています。
これが本当に可愛いのなんの!!!私も母もひと目惚れ。めっちゃ可愛くないですか……😭
このコケ丸の頭に生えているのが、先ほど紹介した胞子体。
一般的に、胞子体は同じ方向で生えるため、コケ丸もこのように左向きで描かれているんだとか。
また胞子体は、雌株の卵子が受精して発達したもの。
そのためコケ丸は女の子なんだそう。
巷ではコケ丸"くん"って呼ばれているけれど、正確にはコケ丸"ちゃん"だよと教えてくれました。
コケの解説以外にも、コケ類(蘚苔類)と地衣類の違いや、蘚苔学会のお話など、いろいろお話ししてもらい、気づけば11時過ぎ。
4-5億年前、地球上で初めて陸地に進出し、酸素を作り始めたコケ。
彼らが活発に酸素を増やしてくれたお蔭で、この地球は生命豊かな星となりました。
そんな彼らは謂わば小さなパイオニア。
地味で目立たない存在と思われがちだけれど、これから先、街中で見かけたら、どうぞ愛でてあげてくださいと、素敵な締めの句で苔ツアーは終了しました。
計2時間半、我々の拙い質問にも丁寧に回答いただき、コケの世界をみっちり堪能させていただきました。本当にありがとうございました!
さてさて苔ツアーの後には、青苔荘に戻ってお焼きをいただきました。
お焼きを食べた後、12時前には青苔荘を出発して、麦草峠まで徒歩で移動。
前日の丸山よりは楽だろうと舐めてかかったら、意外とキツかった笑
https://yamap.com/activities/18985242
歩き進めるごとに、木々の植生が移り変わっていくのが肌で感じられて楽しかったです。
麦草ヒュッテで別のコケ丸を買って、バスに乗り込み茅野駅まで。
茅野駅に到着後は、友達のお土産を買ったり、遅めのランチを食べたりしました。
15時すぎ、特急あずさで東京方面へ。
最寄り駅に降りたった瞬間、うわー蒸し暑い!
数時間前の涼しさが懐かしく思えました。
20220813 ふり返り
お天気にも恵まれた2日間。
北八ヶ岳やコケの魅力を十二分に味わえた登山旅でした。
次は1泊2日で開催されるコケ観察会にも参加したいな〜。