9月5日 SFから得られる事業へのヒント
9月5日ですね。
先日もここで『新しい時代への歌』を取り上げましたが、このところSFを読むようにしています。
アシモフやハインラインやクラークといった巨匠が名作をたくさん出して以来、私には停滞していたように見えたSF界隈(筒井さんの作品は全て読んだいますが、SFよりも前衛的な作風なので)。
ところが今、世界的にもすごいSF作品がたくさん出ていました。それらをイーロン・マスク氏やジェフ・ベゾス氏やらの著名人が読み、事業へのヒントにしているそうです。
『SF超入門』という本になっていました。お勧めです。
つい先日読んだSF作品としては、上記の本には取り上げられていなかったのですが『青い脂』(ウラジーミル・ソローキン)は衝撃でしたね。
SF作品は、今を書きません。
次の技術、次の概念、次の時代を書きます。
今は生まれていないけれど、いずれ現れるであろう技術。考えられるであろう架空。それらを作家の想像力だけで描き出します。それが実現可能かどうかは厳密に検証するものもありますが、実現可能でなくてもよいのです。
そうして描かれる未来からは、事業にあたっての有益なヒントが書かれています。
事業とは人と同じことをしていてはだめで、独自性がないとだめです。そうしないと他社さんに発注が回ってしまいます。
ではどうすれば人と同じことをせずに済むか。
そのヒントをSFから取得します。
例えば今わたしが読んでいる『スノウ・クラッシュ』という小説には、メタバースが登場します。名前もそうなら、概念もそのまま。
間違いなくメタ社が展開する仮想空間に名前もアイデアも影響を与えているはずです。
メタ社のメタバースは今は期待値が飽和し、停滞期にあります。が、やがては復活することでしょう。
この先も新たな制度、技術、社会体制が生まれては消えて行くのは確かです。そのいくつかは、SF小説のアイデアが元になっているに違いありません。
SFを読むことで、これからのせわしない世の中を乗り切っていけるかも。わたしもSF小説は読み続けていきます。