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他人に甘えるって、なんでしょう?
他人に頼ったり、お願いしたり、甘えることできますか?私は少し苦手です。究極言うと、誕生日のプレゼントやサプライズも素直に喜べず、なぜか申し訳ないと戸惑ってしまいます。逆に頼られたり、お願いされたり、甘えられると張り切ってしまいます。もちろん、プレゼントやサプライズもすることは大好きで、相手の喜ぶ顔を思い浮かべるとワクワクします。
これまでは、その性分でもさしたる支障はなかったのですが、子供が産まれ仕事に復帰すると、明らかに時間が足りなく感じます。一体全体、世の働くお母さま方はどうしてるの?え、保育園の遠足、弁当そんなに手の込んだもの作ってるの?と、いろいろな疑問が次から次へと湧いてきます。そして、他の人と比べ、出来なさ過ぎる自分に落ち込み、自己嫌悪に陥るのです。
そんな時に、毎月楽しみにしている、本の情報誌『ダ・ヴィンチ』で掲載している『Book Mark EX of This Month』に紹介されていた、かわしまようこさんの言葉で心があたたかくなりました。
草からは、本当にいろいろなことを学んでいます。例えば、ちっちゃくて地味なヤエムグラ。この草は1本だとすぐに折れてしまいますけど、茎や葉に生えたトゲでお互いに絡まり合い、群生することで立っているんです。私はずっとひとりで突っ走ってきましたし、誰かに甘えて頼ったら、もう立てなくなると思っていました。でも、ヤエムグラを見た時に、支え合って生きる美しさを感じたんですね。『あ、これでいいんだ』と思ってからは、少しずつ甘えられるようになりました
支え合って生きる美しさ。人が自然に惹かれるのは、こうした美しさを気づかないうちに感じているからなのかもしれません。ただ、自然の感情を読み取ることは、人にはできません。「え、ちょっと重いんですけど。昨日の雨露でいつもより重くない?」という表情が実はあっても、それはわかりません。わからないからこそ、進んで支え合って生きている姿により感動を覚えるような気がします。
では、良くも悪くも相手の感情を読み取ってしまう人は、どうやって美しく支え合って生きればいいのか。それは、ユ・インギョン著、吉原育子訳『明日も出勤する娘へ』がヒントをくれました。
お願いするときに何より重要なのは、お願いする前に「自分が本当は何を望んでいるのか」をはっきりさせることだ。
皮肉なことに、自分が何をしてほしいのかよくわかっていない人がとても多い。
たしかに〜。他人に頼ったり、お願いしたり、甘えるにも作法があるはず。まずはお願いする側が何を望んでいるのか、を明確にして、適切な人を頼るべきなのですね。私も何を望んでいるのかが、明確ではなかった気がします。
私が望むこと、それは他のお母さま方のように、働きながらも家事が完璧で、常に美しくいること、ではありません。家族の笑顔を守ること。そう思えば、自分でも作れそうなお弁当の写真をいくつか娘に見せて、どれが良いかを聞いて、選んだものを作れば良い。グッとハードルが下がりました(下げました)。
私はもっと家族に意見を求め、どうしたら嬉しいのか、逆に何は優先順位が低いのか、を知ることが、他人に頼ったり、お願いしたり、甘えることだったのです。
私のように他人を頼ったり、お願いしたり、甘えることに抵抗がある人は、もしかしたら自分の要望がわからないのかもしれないですね。