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遠回りした舞、ついに舞いあがる!…今週の『舞いあがれ!』&妄想スピンオフ

東大阪市と長崎県・五島列島を舞台に、空高く飛びたいと夢見る舞(浅田芭路さん→福原遥さん)が、パイロットになるべく努力を重ね、やがて夢の飛行機作りに情熱を燃やす朝ドラ『舞いあがれ!』の第25週(最終週)「私たちの翼」。

舞の夫・貴司(赤楚英二さん)が、パリで八木(又吉直樹さん)と再会した月曜日。歌人として絶不調な貴司は、結婚で幸せになったことが原因ではないかと、歌の師匠ともいうべき八木に秘めた想いを吐露。

八木はそれに直接は答えず「学生の時な、詩をあげたいと思う人ができた。本気で世界を変えたい言うて、いつも戦ってた。けど、随分前に自分で生きんのやめよった」と、自身の過去を告白。八木の想い人=重信房子説も見かけましたが、『二十歳の原点』の高野悦子さんが近いんじゃないかな。

「パリでしばらく暮らしたらええ。誰の声が聞こえる?話したいこと見つかったら、言葉にしてみ」との言葉を残し、また旅立った八木。その頃、東大阪では、五島で祥子(高畑淳子さん)の家に留学していた朝陽(渡邉蒼さん)が大学生に成長し、「飛ぶクルマ」プロジェクトに参加していました。

例の感染症でパリがロックダウンになった火曜日。貴司はアパートに閉じ込められ…。長崎から休暇で大阪に戻った久留美(山下美月さん)は、舞の兄・悠人(横山裕さん)とデート。そして柏木公園での悠人のプロポーズ。「長い人生、50年ぐらい二人で生きんのも悪くないかもな」が、らしい。

報告を受けた久留美の父・佳晴(松尾諭さん)は号泣。悠人の母・めぐみ(永作博美さん)は「おめでとう。久留美ちゃん、ありがとう」の「ありがとう」に込められた深い想いに泣けます。

例の感染症の影響が日本でも各方面に広がった様子が、リアルに描かれた水曜日。貴司は孤独の中で、何かをつかんだ様で舞にようやく電話。執筆活動を再開するも、飛行機のチケットが取れず、中々帰国できない状態。

「デラシネ」の店番も控えるように言われた祥子は元気をなくし、「五島に帰りたい」と言い始め…。感染対策に万全を尽くし、「空飛ぶクルマ」開発を再開した刈谷たち。舞は新しいアイデアを思い付いたようで。

貴司が帰国した木曜日。それから6年後、「空飛ぶクルマ」は飛行訓練を繰り返し。めぐみはIWAKURAを退任し、祥子と五島に帰ることに。そして、正式に五島で就航することになった「空飛ぶクルマ」。初便パイロットには舞が指名されました。

舞が「空飛ぶクルマ」で五島の空を飛んだ金曜日。五島では舞の家族と地元の人々、東大阪ではなにわバードマン&航空学校の仲間が見守っていました。過去の名シーンを交えたエモい映像編集。「浩太さん(高橋克典さん)、舞が空飛んでる。IWAKURAのネジ乗せて」とめぐみも涙。

紆余曲折を経て空を飛んだ舞でしたが、オープニングアニメの紙飛行機の変遷で、最初から全てが示されていたんですね。メイン脚本家の桑原亮子さんの半生がそうであるように、人生に無駄なものなどない、舞の全ての経験と人とのつながりが集約したラストでした。

前作『ちむどんどん』に比べると、穏やかに終わった本作。最大の見せ場であるはずの最終週が、急足だったのは残念でした。今思えば、IWAKURA危機はもう少し短くて良かったんじゃないかな。あと、複数脚本家体制の問題。やはり桑原さん一人が良かったな、と「感謝祭」の映像を見て思いました。

余談:『舞いあがれ』のスピンオフドラマの予定は、今のところないようなので、妄想スピンオフ「柏木 五島編」を勝手に創作(柏木役の目黒蓮さん出演で、社会現象となったドラマ『silent』に寄せていますので、見ていなかった方にはわからないと思うので、そこはあしからず)。

以下妄想です。

舞のフライトを見守った航空学校の仲間たち。柏木だけが結婚指輪をしていませんでした。国際線パイロットとしてブイブイいわせていただけあって、女性には常にモテていたものの、いずれも長続きせず。自分で振っておきながら、どうしても舞のことが忘れられず。

しかし、久しぶりに見た舞の前向きな姿に、さすがに吹っ切ろうと、傷心旅行に五島を選ぶあたりがセンチ柏木。長崎市内からの船が遅れ、福江島から舞がかつて住んでいた島への定期便に乗り遅れてしまい。困っていると、船上タクシーもやっている若葉(川口春奈さん)が声を掛けてきて。

島へ向けて出発した二人。若葉が職業を尋ねると、「国際線パイロットです」と柏木。若葉「私の知り合いもパイロットなんですよ。先日、五島で初フライトした女性の」、柏木「知ってます。航空学校一緒だったんで」、若葉「柏木…(察)」。

田舎の情報網は侮れず。若葉の耳にも、舞が昔付き合っていた、貴司にマウントを取った、通称「柏木公園」で別れた柏木の情報が入っていました。俄然興味を持った若葉は、柏木を質問攻め。身バレしていることに気がついた柏木は耐えきれず、「若葉、うるさい!」と大きな声を出してしまい…。

つい感情的になってしまい「しまった」と思った柏木。「何この人!? 
」とムッとした若葉。しかし、その直後二人は懐かしく思うのです。「昔、この人と同じような経験があったような…」。前世か、何周目の人生か(ブラッシュアップライフ的)、あるいは多元宇宙のどこか(エブエブ的)。

最悪の出会いを果たした二人でしたが、運命に導かれた男女が恋に落ちるのに、時間はかかりませんでした。

数日後、蜜月期間を経て、帰ることになった柏木。今後は未来を見据えつつ、遠距離恋愛を続けることに。福江島まで船で送っていく若葉。すると、二人の心境を映し出すように、季節外れの「なごり雪」。

若葉「これは結構積もるね」、柏木「いやいや、さすがに4月だしそれはないでしょ(笑)」、若葉「いや、これは積もるね。雪玉でサッカーしたら、雪だるまができるレベルだね」、柏木「(爆笑)」。その時、またもや二人は懐かしく「昔、この人と同じことを言い合った気がする…」と。

若葉にベタ惚れの柏木は、国際線パイロットを辞め、五島などの離島を結ぶ「空飛ぶクルマ」のパイロットに転職。二人は穏やかで(silent)、幸せな結婚生活を送りました、とさ(完)。


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