ドラマ『かぞかぞ』(第9話)&『西園寺さんは家事をしない』(最終回)
家族をめぐる「楽しい」や「悲しい」など一言では説明ができない、情報過多な日々の出来事を、笑えて泣けて考えさせられて、心がじんわり温かくなる令和の新しいホームドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった(#かぞかぞ)』の第9話。
七実(河合優実さん)の家族との日々を綴ったエッセーは大ヒット!ひとみ(坂井真紀さん)は退院し、認知症の祖母・芳子(美保純さん)はケアハウスに、草太(吉田葵さん)の仕事も順調で、岸本家はそれぞれの道を歩み始めていた。二階堂(古舘寛治さん)の番組で密着取材を受ける岸本家。
長寿アニメ番組『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』では、磯野家もさくら家もずっとそのまま。カツオは永遠に小学生であり、友蔵が亡くなることもない(番外編を除く)。しかし、実際の家族の形は変化するものであり、現代においては親子が同居する期間というのは、案外短いことが多く。
第9話はまさにそんなことを思い出させた回。七実がまず東京で一人暮らし。次に芳子がケアハウス入り。そして草太もグループホームに入って独り立ちしようとする姿が描かれました。
緻密な一人暮らし計画をノートに書きながら、喜々としている草太。それを知った七実はグループホームの下見に付いていくのですが、薄々気が付いていたひとみは不機嫌に。親の子離れ問題発生です。
ひとみも、草太が障害を持って生まれた際、「大丈夫や」と慰める夫の耕助(錦戸亮さん)と言い争いになり、自分たちが亡くった後のことを悲観した過去がありました。
昔から新たな環境にすぐには馴染めなかった草太は、グループホームのお試し宿泊をこっそり抜け出したため、周囲は大騒ぎ。亡くなった後も、密かに寄り添い続ける耕助に、「僕、おうてる?」と問う草太。「ずっとおうてる」と返す耕助に、「パパ、今までありがとう」と草太ついに独立。
ひとみには怒られましたが、翌日には髪を切ってもらい甘え、初めてコンビニで七実とひとみにお茶をおごった草太。名残を惜しむひとみに「大丈夫です。僕はママの子供です。僕は大人です」と声をかける草太。永遠にひとみの子供であると同時に、自立した大人でもあると。
一人暮らしとなったひとみを想い、七実から観賞魚セットが送られてきました。実はマルチ(福地桃子さん)が働くアクアショップは、高校時代の担任で七実を大学に合格させてくれた田口(松田大輔さん)が経営していて、彼からのプレゼントでした。
今週も最高でした。次回、いよいよ最終回。
仕事はバリバリやるが、 家事は一切しない38歳独身女性の西園寺一妃(松本若菜さん)が、年下の訳ありシングルファーザー・楠見俊直(松村北斗さん)と「偽家族」として暮らすことになるハートフルラブコメディ『西園寺さんは家事をしない』の最終回。
「さようなら」とメモを残し、突然姿を消したルカ(倉田瑛茉さん)。西園寺さんと楠見は、自分たちが互いに恋心を抱いてしまったことで、ルカを傷つけたのではと罪の意識を感じてしまう。必死にルカを探し続けると、ルカは意外な場所を目指していて…。
ドラマとしてのトーンは正反対ながら、妻(元恋人)が亡くなっているシングルファザー設定であることや、出演者が旧ジャニーズであることなどから比較されることが多かった本作と月9ドラマ『海のはじまり』ですが、終盤似たような展開に。
楠見がルカに正直な想いを伝えると、ルカは「じゃあ、ママ(松井愛莉さん)好きじゃない?一緒にいれないから、好きじゃない?」と質問。楠見は「いるよ。ママはパパの中にいるの、これからもずっと」と答え。
その後、紆余曲折あり、西園寺と楠見の横にママが見えたルカは、二人に抱きつき「いる!いないけどいる!」と笑顔。最後は海外赴任することになった西園寺ら3人が空港へ。ルカが『 see you soon I hope』と、続編を匂わせて終わりました。
亡くなった妻(母)を、ただ存在しない者として扱うのではなく、かつてたしかに存在し、今も心の内にいるという腑の落ち方で、新たな家族を構築していく、そんな落しどころでした。
なお、前回登場した家事代行の元イタコ・川口美代子(高畑淳子さん)は、やはり西園寺の蒸発した母親であり、案外あっさりと和解。ちょっと、取ってつけた感はありましたね。