ドラマ日記 『大奥 season2』(初回)
吉宗の遺志を継ぎ、若き医師たちが「赤面疱瘡」撲滅に向けて立ち上がるその後の物語から、女将軍をはじめとした幕府の人々が、江戸無血開城のために奔走した幕末・大政奉還の物語までを描く『大奥 season2』の初回。
平賀源内(鈴木杏さん)は、長崎・出島で蘭学の習得者探しに奔走していた。それは亡き吉宗公(冨永愛さん)より「赤面疱瘡」の撲滅を託された田沼意次(松下奈緒さん)からの内命であった。源内はそこで蘭方医・吾作(村雨辰剛さん)と出会い、赤面疱瘡の解明に挑むため大奥入りを誘う。
吉宗の死の20年後から、幕末までが描かれる『大奥 season2』。冒頭、時代はいきなり幕末。season1で有功役を好演した福士蒼汰さんが、天璋院役で再登場。最後の大奥総取締・瀧山(古川雄大さん)と言葉を交わし、没日録を読み返すという、大奥の終焉を感じさせるシーンからスタート。
season1のシーンも使われていて、吉宗が「赤面疱瘡」撲滅の夢を託した龍(當真あみさん)が成長すると、田沼意次(松下さん)になるわけですね。仲間由紀恵さん演じる一橋治済も登場。意次と言葉を交わす笑顔の裏には…。
源内を演じる鈴木さんののチャキチャキ江戸っ子ぶりと躍動感が素晴らしい。とはいえ、初回の主役は吾作改め青沼を演じた村雨さんでした。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』のロバート役より格段に演技が安定していますし、長崎弁含めてセリフ量も半端ないものの、見事でしたね。
将軍肝入りの蘭学講義でしたが、当初は青沼への偏見(あるいは妨害)もあってか誰も来ず。しかし、風熱(インフルエンザ)を石鹸で抑え込んだ青沼の手腕を聞きつけ、徳川家治(高田夏帆さん)と家治の御台所・五十宮(趙民和さん)が講義部屋へ。
五十宮が率先して講義を受ける姿勢を見せたシーンが今週のクライマックス。痛快でした。医学の限界を率直に家治に話す青沼の言葉は、現代にも通じるメッセージ性もあり。今回も信頼の森下佳子さん脚本。