俳優ノート『山口智充さん』
気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回は、2022年後期朝ドラ『舞いあがれ!』に出演する山口智充(ともみつ、愛称ぐっさん)さん。吉本興業所属。
お笑い芸人として、かつては全国放送の番組にも多数レギュラー出演し、絶大な人気を誇ったぐっさん。一時期は干されたなどの根拠なき噂も流れましたが、現在でもローカルやBSで多数番組を持っているようです。
デュオ「くず」を組んだ雨上がり決死隊の宮迫博之さんと同じく、早くから俳優としても活躍し、演技力も評価されてきた山口さん。まず一番に挙げるとするなら、脚本家・三谷幸喜さんの大河ドラマ『新選組!』(2004年)でしょう。山口さんは、新選組最強といわれた永倉新八役を演じました。傑作。
幕末、京都の治安を守り、最後まで未来を信じて生きた新選組局長・近藤勇(香取慎吾さん)とその仲間たちの青春群像を、三谷幸喜ならではの機知に富んだ大胆な創作を盛り込みながら描いた。
グルメ漫画を実写ドラマ化した『クッキングパパ』(2008年)に主演すると聞いた時は、たしかに荒岩一味に顔が似ているので、はまり役だろうなと思いましたが見逃しました。
続いては、爽やかイメージの山口さんがヤバい教師を演じた『鈴木先生』。富田靖子さんもこの作品辺りから、ヤバい系をよく演じるようになりました。ブレイク前の長谷川博己・土屋太鳳・北村匠海・松岡茉優・三浦透子・小野花梨(敬称略)らが出演しています。視聴率なんて関係ない傑作。
黒ブチ眼鏡とループタイがトレードマークの若き悩める教師(長谷川さん)が活躍する大人も楽しめる学園ドラマ。どこにでもいそうな平凡な教師が、どこにでも起こり得る問題について過剰に悩みつつ、独自の教育理論によって解決していく様を描く。
『あすか』(1999年)以降、すでに朝ドラ4作品に出演している山口さん。一番記憶がたしかな『とと姉ちゃん』(2016年)を最後にしましょう。山口さんは、主人公(高畑充希さん)が勤めることになる甲東出版の社長役。同僚役で及川光博さんがいました。『石子と羽男』の西田征史さん脚本。
昭和初期の静岡・遠州に生まれた小橋常子(高畑さん)は、父亡き後を女家族で助け合って生き、戦後に東京で出版社を立ち上げる。天才編集者・花山伊佐次(唐沢寿明さん)と出会い、女性のための雑誌を刊行。戦前、戦後の昭和をたくましく生き抜いた家族の物語。
余談:衝撃の展開となった朝ドラ『舞いあがれ!』。やはり朝ドラヒロインには、“向かい風”級の喪失体験が必要ということでしょうか。漫才コンビ「うめづいわくら」を見たかったです。