映画日記『湯道』
週一で映画館に足を運ぶ新習慣の第21弾。今回は、2月23日公開の『湯道』。気がつけば、『イチケイのカラス』を見てから1カ月過ぎていました。これでは、月一の習慣(笑)。
熊本生まれの放送作家出身の才人に、小山薫堂さんという人がいます。『カノッサの屈辱』や『料理の鉄人』などを手掛けると共に、「くまモン」誕生にも一役買い、米国アカデミー賞外国映画賞受賞の『おくりびと』では脚本を担当。今回の映画も小山さんが企画・脚本を担っています。
建築家の三浦史朗(生田斗真さん)が、「まるきん温泉」を営む実家にある日突然戻ってくる。彼は亡き父が遺した銭湯を切り盛りする弟の悟朗(濱田岳さん)に、古ぼけた銭湯をマンションに建て替えると伝えるために帰省したのだった。ある日、悟朗が入院することになり、銭湯で働く秋山いづみ(橋本環奈)の助言もあって、弟の代わりに史朗が店主を数日務めることになる(シネマトゥデイより引用)。
以下、ネタバレあります。
銭湯の存続を巡る兄弟対立(というより兄弟喧嘩)を軸に、そこに集う人たちの群像劇的要素もあり、サイドストーリーとして「湯道」家元や、源泉かけ流し主義の温泉評論家・太田与一(吉田鋼太郎さん)の話も展開。
序盤、刑務所における入浴事情が挟み込まれたり、「湯道」家元の内弟子役の窪田正孝さんに何させてんの!?的なこととか、ちょっと取っ散らかった印象で「一体、何を見せられているんだろう!?」と危惧しましたが、ストーリが進むにつれて楽しくなっていきました。
中盤の見どころは、銭湯の常連客・良子(天童よしみさん)と、ムショ帰りの竜太(クリス・ハートさん)のシーン。歌唱力に定評ある二人の歌手が、どうしてこの映画に出ているのか…。
銭湯を使った兄弟喧嘩シーンや、山の上での五右衛門風呂など最後まで飽きさせず。銭湯と「湯道」を繋ぐ郵便局員の横山正(小日向文世さん)が、定年退職した後に待っていたものとは…。
二人の兄弟の物語ですが、兄弟はもう一組いた、というのが映画のオチになっています。橋本さんというと、美少女過ぎるゆえか、映画もドラマもちょっと変わった役をふられることが多い印象ですが、今回は銭湯の看板娘役がピッタリ。
傑作でも名作でもないけれど、毎月1日のファーストデーにふさわしい楽しい映画。個人的には、大学時代の最後の一年、銭湯通いがしたくてワザと風呂なしアパートに引っ越した自分には懐かしくもあり。スーパー銭湯じゃなく、昔ながらの銭湯に行きたいなと。
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