ゴールデンタイムに映画枠があった時代
本を読む人にも様々なスタイルがあって、精読と速読、あるいは小説など一つのジャンルをメインに読む人から、一人の作家を集中的に追う人、様々なジャンルの本を気が向くままに手に取っていく乱読派まで。一長一短はあるでしょうが、自分は乱読派でした。
最近は配信&サブスクの発達で、映画・ドラマ・本・漫画・音楽といったものが、手軽かつすぐに鑑賞することができますが、無限ともいえる作品群の中から選ぶとなると、どうしてもそれまでの嗜好に合ったものを選びがち。かつての歌番組で、嫌々ながらでも演歌を聴いてた時代とは違います。
とはいえ、歳を重ねてみると演歌の良さもわかるようになるなど、半ば強制された体験も、長じてみれば役に立つもので、全てが自由な時代とは、己一人の枠に捉われて、逆に不自由なのかも知れません。
1989年頃をピークとするレンタルビデオ店が普及する以前、地上波テレビのゴールデンタイムでは、毎日のように映画が放送されていました。
『月曜ロードショー』(荻昌弘さん、1982年まで、TBS)、『水曜ロードショー』(水野晴郎さん、1985年まで、日本テレビ)、金曜日時代の『ゴールデン洋画劇場』(高島忠夫さん、1981年まで、フジテレビ)、『日曜洋画劇場』(淀川長治さん、2013年、テレビ朝日)といった具合。
映倫が現在のような細かい年齢規制をしていなかった時代だけに、今思うと子供にはどうかというような内容の作品もバンバン流れていて。理解が足りない部分もあったでしょうが、それでも夢中で見てましたね。
『大脱走』(1963年)とか『タワーリング・インフェルノ』(1974年)とか、一体何回見ただろうというぐらい。スティーブ・マックイーンが本当にカッコよくて。
『小さな恋のメロディ』(1971年)や『禁じられた遊び』(1952年)も、今では地上波で流れることはないんでしょう。ヒッチコック監督作品とかもやってないですもんね。
先日、ラジオ『赤江珠緒たまむすび』の中で、映画『エマニエル夫人』の話題が出てきて。曖昧な記憶と知識の珠ちゃんと大吉さんは「ちょっとHなぐらい」の映画と結論付けてましたが、いやいや「性の目覚め」のため阿片窟で○○までいく映画なんですけどね(小学生時にテレビで見ました)。
ゴールデンではないですが、『午後のロードショー』は、そんな時代の雰囲気を残すラインナップで、テレビ東京はさすがだなと。関東ローカル放送なのが残念ですが。乱読ならぬ乱視聴のおかげで、名作映画を子供時代にたくさん見ることができたのは、幸運でした。
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