ドラマ日記『イチケイのカラス』&『珈琲いかがでしょう』(初回)
東京地方裁判所第3支部第1刑事部(イチケイ)を舞台に、自由奔放な裁判官・入間(竹野内豊さん)とイチケイメンバーの活躍を描く『イチケイのカラス』(初回)。視聴率13.9%と好スタート。
イチケイに、若くして特例判事補になったエリート・坂間千鶴(黒木華)が赴任する。坂間は冗談が全く通じない堅物タイプで、迅速さと効率性を重視。坂間が異動してきた目的は、事件の処理件数が信じられないほど少なく、会社なら倒産レベルの“赤字”状態のイチケイを立て直すためだった。
固い職業・組織の中で、型破りな主人公と真面目系なヒロインが、当初は衝突しながらもやがて理解し合い、凸凹バディとなっていく流れは『HERO』『リーガル・ハイ』『99.9』にも似て。中卒でふるさと納税好きという設定からすると、『HERO』を踏襲しているのかな。
ヒロイン役の黒木華さんのセリフ量が半端なく、実質裏主役で屋台骨を支え、竹野内さんがあの美声でいいとこを持っていくという感じでしょうか。もう少しテンポよくてもいいかなとも思いましたが、このスピード感は、作品の味でもあるのでしょう。
小日向文世さんはじめ、イチケイメンバーは実力派揃いで、すでにチーム感。最高裁判事・日高(草刈民代さん)との因縁もありそうで、最終回へ向けての伏線も示されました。ゲストの萩原利久さん・松澤一之さん・松本若菜さんもよかったし、子役の古川凛さんは『タリオ』にも出てましたね。
続いては、移動珈琲店「たこ珈琲」の店主・青山一(中村倫也さん)が、さりげない言葉で、日々がしんどい人々を癒す、優しくもほろ苦い、人情珈琲群像劇『珈琲いかがでしょう』(初回)。
志麻(夏帆さん)は誠実・丁寧・義理・人情をモットーに働くOL。だが効率重視の上司にはいつも怒られ、後輩の馬場(足立梨花さん)には出し抜かれ…そんな折、職場近くで青山一が店主の移動珈琲店と出会う。
テレビ東京が「ドラマプレミア23」枠の第1弾として放送する同作。中村さんのコーヒーの淹れ方も堂に入ったもので、香り立つような映像。飯テロならぬ、珈琲テロドラマでした。
1話で2つのエピソード。不器用さゆえに、生きづらさを抱えた二人の女性を、夏帆さんと貫地谷しほりさんが的確に演じ、中村さんが魔性の笑顔とイケボで包み込む。 『かもめ食堂』の荻上直子監督らしい、ウエット過ぎないサラッとした“救い”がありました。
時折顔を出す、怪しげな杉三平(磯村勇斗さん)と、青山の手袋の秘密には、なにかしら因縁があるのでしょう。来週ゲストは山田杏奈さん&臼田あさ美さんですし、バイオレンス展開もありそうで楽しみ。