ドラマ日記『ペンディングトレイン』&『波よ聞いてくれ』(初回)
同じ電車に偶然乗り合わせた乗客たちが突如、荒廃した未来へワープ。水も食料もない極限下で懸命に生き、元の世界に戻ろうとする姿を描く、予測不能のヒューマンエンターテイメント『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』の初回。
8時23分発、秋葉原行きの電車の一両。車体が大きく揺れた瞬間、気付くと電車の外には見知らぬ世界が広がっていた。偶然乗り合わせた乗客乗員68名は、水も食料も電波もない場所に放り出され、サバイバル生活を強いられることに。カリスマ美容師の直哉(山田裕貴さん)は…。
脚本家の話からしてみます。現在、関西ではドラマ版『電車男』が再放送されていて、話題になっているようです。同作では伊東美咲さんと伊藤淳史さんが主演でしたが、映画版では中谷美紀さんと山田孝之さんでした。そして、その映画の脚本を担当したのが、本作の脚本家・金子ありささん。
金子さんは、近年は『中学聖日記』『恋はつづくよどこまでも』『着飾る恋には理由があって』など、立て続けにTBSで恋愛ドラマを書いてきましたが、一転して電車絡みのワープ物オリジナル作品。成功するでしょうか。
楳図かずおさんの名作漫画『漂流教室』や、そのドラマ化作品を彷彿させる展開。終盤、まだ完成してないはずのタワーが、廃墟(森&砂漠?)らしきところに立っており、第2話予告で30年後と明示されているので、なんらかの理由で未来にワープしたのは確定。
初回は見ず知らずの乗客たちのキャラクターとメイン3人の背景が描かれ、早速のトラブルと衝突が発生。今後も様々な問題がおこり、その困難に立ち向かう中で、乗客同士の絆が生まれ、やがて、過去に戻る方法が見つかり、何人かは帰還するのかな。
ドラマの冒頭、赤子を抱えた畑野紗枝(上白石萌歌さん)の「愛する君へ…」のナレーションからすると、畑野は未来から戻ったのでしょう。では、その赤子は誰の子供?好意を持っていた消防士の白浜優斗(赤楚衛二さん)と畑野の、あるいは高校生カップルの江口和真(日向亘さん)&佐藤小春(片岡凜さん)の子か。
そこそこ面白かったので視聴継続。とはいえ、朝ドラ色が濃厚なキャスティングは少し気になりますね。メイン3人の内、山田さんと上白石さんは『ちむどんどん』で義兄妹。赤楚さんは『舞いあがれ!』が終わったばかり。
大学院生役の井之脇海さんと、消防士の先輩役の前田公輝さんも『ちむどん』組。手グセの悪いネイリスト役の古川琴音さんは『エール』、松雪泰子さんは『半分、青い。』、杉本哲太さんに至っては再放送中の『あまちゃん』の駅長・大吉という。
泥酔して記憶をなくすという<超絶やさぐれ女>鼓田ミナレ(小芝風花さん)が、失恋トークをかました地元ラジオ局のチーフディレクターに素質を見出され、深夜のラジオで冠番組を持つことになるコメディ『波よ聞いてくれ』の初回。
スープカレー店のアルバイト・鼓田ミナレは、彼氏にフラれて金もだまし取られ、バーで見ず知らずの男・麻藤(北村一輝さん)に愚痴をさく裂。翌日、店内のラジオから流れてきたのは、なんと愚痴をぶちまけるミナレ自身の声⁉
俳優にとって大切なものを昔から「一声、二顔、三姿」といいます。顔や演技より前に、聴きやすい声や滑舌、台詞回しが大事だと。小芝さんがラジオ番組『おしゃべりな古典教室』を担当していた時、その声の明瞭さと、利発さにちょっと驚いたものでしたが、今回のドラマは、そんな小芝さんの声の長所を見事に活かした作品となっています。
「マンガ大賞」などでも度々上位にランキングされるなど、沙村広明さんの原作の面白さもありますが、古家和尚さんの脚本も上手くまとめた印象。北村一輝さんと小市慢太郎さんのイケオジ&チョイワル二人もはまり役。中村ゆりかさんも次週以降楽しみ。
あえて難をいえば、殺人シーン(実はラジオドラマ)の唐突感。もう少し、なにかやりようがあったんじゃないかな。あとは、片寄涼太さんを見ると、どうしてもまだ土屋太鳳さんの影が(笑)。
余談:池松壮亮さんが河合優実さんと真剣交際と「Smart FLASH」が報じていたんですね。今日の「FRIDAYデジタル」の記事で気がつきました。河合さんというと、ドラマだと『17才の帝国』に主要キャストで出ていましたね。