三大ちゃんぽんは久留米「光華楼」推し
日本にはさまざまな分野で「三大○○」というものがあります。「三大河川」(信濃川、利根川、石狩川)や「三筆」(嵯峨天皇、空海、橘逸勢)など確定的なものもありますが、「三名泉」や「三大奇祭」などは、4つ以上の候補が入り乱れていて、自称も多い気がします。
長崎市の四海樓が発祥とされるちゃんぽんの場合、「長崎三大ちゃんぽん」なら長崎・小浜・平戸で確定。ところが、「日本三大ちゃんぽん」だと長崎・小浜・天草なのに、「九州三大ちゃんぽん」となると長崎の四海楼・福岡の福新楼・ 久留米の光華楼と言われたりもします。
光華楼は、四海樓でちゃんぽんを発案した陳平順さんの縁戚が、1917年に久留米市にオープン。ちなみに、久留米ラーメンの元祖・南京千両の店主は、光華楼のちゃんぽんスープを研究して、豚骨スープを完成させたといわれていますから、博多ラーメンのもとをたどると光華楼に行きつくのかも。
100年以上続く名店とはいえ、本店は今はなく。現在は西鉄久留米駅の駅ビルの一角にある、古びた街の中華屋的な佇まいの店舗のみ。最近では珍しい前払い制で、好きな席に座ります。
しばらくすると、キャベツ・ニンジン・もやし・タマネギ・マッシュルーム・キクラゲ・豚肉・エビ・イカなどの具材が山盛りになったちゃんぽんが登場。スープはクリミーで優しい味。「医食同源」という言葉が浮かびます。これで一杯800円ほど。財布にも優しい。
長崎中華街で食べる高級ちゃんぽんも雰囲気はありますが、一世紀を超える伝統があるなど、微塵も感じさせずに油断させ、絶品ちゃんぽんが出てきた方が楽しくないですか?サイドメニューも充実で、中華をつまみにビールを飲むもよし。光華楼おすすめです。