ドラマ日記『最高の教師』(最終回)&『遙かなる山の呼び声』(初回)
卒業式の日に4階から突き落とされた教師・九条里奈(松岡茉優さん)が、「死にたくない!」と願った瞬間、始業式の日の教室に戻り、真相を突き止めるために、生徒と本気で向き合っていく“新時代”の学園ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の最終回。
“何でもする”覚悟を決めた九条(松岡茉優)は、ただひたすらに駆け抜けた。この世界を「変えよう」と。これまで無自覚に見過ごしてきた3年D組の生徒たちも一人、また一人とその「本気」を解放してきた。そして再び迎える、“あの卒業式の日”。
二週目の人生でも、敢えて1年前と同じ場所に行った九条。そんな彼女を突き落とそうとしたのも、一周目と同じ星崎(奥平大兼さん)で、中盤から視聴者考察班が予想した通り。そして、二人共転落しそうな時に救ったのが、九条の夫の蓮(松下洸平さん)。
幼い頃から周囲とは違う「無感情」に悩み、隠してきた星崎。こうしたキャラを犯人にすることで、単純な因果関係にたどり着かせず、ミスリードを仕掛けるという考察ドラマでした。
九条や鵜久森(芦田愛菜さん)のまっすぐなメッセージはよかったものの、作品としては今一つスッキリしない終わり方だったかな。
北海道の酪農家・民子(常盤貴子さん)のもとに、耕作(阿部寛さん)が転がり込み、民子の息子・武志(佐藤優太郎さん)からもなつかれるものの、耕作の秘密が明らかになる、王道のヒューマンラブストーリー『遙かなる山の呼び声』の初回。
北海道の中標津で、夫が残した牧場を経営する民子の元にある晩、バイクが故障して動けなくなった謎の男・耕作が転がり込む。怪しみながらももてなすと、翌朝から耕作は牛舎の仕事を手際よく手伝い始める。
高倉健さんと倍賞千恵子さん共演による同名映画のドラマ化。NHKBSで2018年に『遙かなる山の呼び声』(映画のストーリーはここまで)、2022年の『続 遙かなる山の呼び声』が放送されたものに、未公開シーンを加えたディレクターズカット版を全4話で放送。
先日まで『VIVANT』で公安の野崎を演じていた阿部さん。今回は都合よく酪農経験があり、重機も使え、自分のバイクをオーバーホールして修理できる技術もあり、喧嘩もめっぽ強いというキャラクターですが、違和感なし。
女好きの町の成金・虻田太郎(筧利夫さん)に言い寄られている民子役の常盤さんも、その気の強さやそこはかとない色気が役に合ってます。民子の義父・中原丈雄さんも安心感。
駆け足ではあるものの、ストーリーはよくまとまってますし、北海道の雄大な風景を使ったロケも開放感があって楽しい。次回はもう耕作が逮捕される展開のようです。黄色いハンカチかあ。
余談:10月期秋ドラマながら、昨夜から放送スタートした『パリピ孔明』が早くも傑作の予感。主演の向井理さん、ヒロインの上白石萌歌さんの代表作になりそうですし、森山未來さんも最高(笑)。