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都市計画研究ノート(2020.4〜6)

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With COVID-19の都市計画に関する論考集
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2020年5月の記事一覧

No.7|プランナーができること

 COVID-19の影響で、都市計画審議会や計画策定委員会、その他の都市計画・まちづくりの会議も平常通りには開催されなくなった。一部の自治体はWebexやFaceTimeを使ったオンライン会議の準備を進めている。多くの会議は延期か書面開催。書面開催の場合は、資料を読み込んでコメントを作成するが、これはこれまでも欠席する会議に対してはやってきたことなので慣れている。内容によってはお断りしていた「事前説明」もなくなり、スケジュールが楽になった。ところで、日程調整をエクセル表で行う

No.6|都市の再形成

 CNNの Oscar Holland 氏の記事 "Our cities may never look the same again after the pandemic"(5月10日)は、何人かの専門家へのインタビューに基づき、パンデミック後の都市の姿について検討したもの。私なりに重要だと思ったポイントを整理してみました。 1.パンデミックは都市再形成の触媒として機能するだけ ウォーカブル都市、自動車と汚染がない都市を推進する人にとって、ここ数週間はこれまで主張してきたア

No.5|都市システム・デザイン

1.「都市システム・デザイン」の考え方 「No.3」の最後に書いた通り、計画策定と持続性評価は表裏一体である。となると、マルチスケールの計画策定と持続性評価を一体的に扱うシステムの開発が重要になる。これについては、都市の環境負荷低減・気候変動適応やスマート化の動きに対応するために、従来の都市デザインの方法とビッグデータ、AI、IoTを活用したデータ解析・シミュレーションの方法の融合を目指す「都市システム・デザイン(Urban Systems Design)」の概念提示と部分試

No.4|COVID-19と身近な空間

 No.2とNo.3では話が大きくなり過ぎたので、身近な空間(ワークスペース)について考えてみました。 1.長期化する自宅勤務 COVID-19感染拡大により、3月の約半分は自宅勤務または休み、4/3以降は郵便物等を大学に取りに行った1日を除いて自宅にいる。仕事が生活の中にすっかり馴染んでいるので、もはや仕事と休みの区別がつかない。実は、前述の「郵便物等」の「等」にはデスクトップ・パソコン一式とオフィスチェアが含まれており、長期戦に備え、自宅寝室の一角に快適なワークスペース