めちゃくちゃ記憶力がいい先輩の話
私の職場にはめちゃくちゃ記憶力がいい先輩がいる。
私は学校で働いているのだが、先生の数がとても多い。非常勤の先生や外国人の先生もおり、全部合わせたら80人くらい。
半年先に働いている先輩。先生が用事で事務室に訪れると、「あれは◯◯先生」と教えてくれる。常に学校にいる先生はまだしも、滅多に来ないレアキャラ並みの先生でさえ「あれは◯◯先生だよ」と教えてくれる。
外国人の先生に関しては出身国まで教えてくれる。
とにかく記憶力がいいのだ。
1番尊敬する場面は試験のとき。印刷したプリントを事務室に取りに来るのだが、私は先生の名前を聞いた後に、大量のプリントの中からその先生のプリントを探し出すので時間がかかる。
一方、先輩はすでに先生の顔と名前が一致しているので、先生がこちらに向かって来るのが見えた瞬間、プリントをすぐさま探し出して渡す。
すんなり受け取って去っていく人もいるけれど、目を丸くしてびっくりしている先生もいる。
先輩のおかげでスムーズに作業が進むので、上司も助かると褒めていた。
先輩にどうやって覚えているか聞いてみた。
「一度見たら覚えられるんだよね〜」
もう私になす術はない。終わったと諦めかけていたら、
「でもいろんな人に出身やどんな先生か聞いたり、直接コミュニケーションをとっているうちに覚えられたよ!」と笑顔で言った。
たしかに先輩の行動を見てみると、困っている先生に自ら話しかけたり、それで仲良くなったのか談笑したりもしている。
私は人見知りなので、そこまでいくのはハードルが高い。けれど、まずは自分から挨拶することから始めてみようと思う。
ある日、男子生徒が事務室に訪ねてきた。先輩はすぐ、「◯◯くん。どうしたの?」と言った。
生徒の名前まで覚えているなんて…。やっぱりこれは才能だと思った。
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