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読書感想文『マカン・マラン』

マカン・マラン
古内一絵

あらすじ
元エリートサラリーマンにして、今はドラァグクイーンのシャールが営む裏路地にひっそりと佇む夜食カフェ。
社会に消費され人生に悩む人たちを、シャールの人柄と温かくて体に優しいお料理が癒していく。
早期退職者候補になった、仕事一筋の40代キャリア女性へは「春のキャセロール」。
手料理を食べなくなった中学生男子には「金のお米パン」。
仕事に夢を見られない、20代のライターには「世界で一番女王なサラダ」。
そして、病を抱え、倒れてしまったシャールへ、彼女に助けられた人々が素材を持ち込み、想いを煮込めた「大晦日のアドベントスープ」。

感想
わたしもシャールさんに会いたい。お話ししてみたい。シャールさんの優しさのこもった栄養たっぷりのお料理を食べてみたい。

一度人生につまづいて、自分らしい生き方を貫いているシャールさんはひたすらにかっこいい。そして優しい。
エリートサラリーマンをやめてたくさんのものを失いお金も今までのように使えなくなったけれど、自分の大好きなことを仕事にし新しい友達もできて幸せだと言い切るシャールさんを見ていると希望が湧く。
本当の幸せとは何か、豊かに生きるとはどういうことか、考えさせられる。

自分自身が空っぽだと落ち込む女性に対して
「空っぽなら、埋めていけばいいんじゃないかしら」と言葉をかけるシャールさん。
わたしも持病を患い何もできなくなって自分は空っぽだと悩むことが最近多いのだが、今からだって遅くないかも、わたしも自分を満たしていこうと力をもらえた。

「どんなに色々なものが足りなくたって、誰もが自分の人生の女王様よ。あたしもそう。もちろんあなただってそうよ」
障害があっても自分の人生は自分が主役。わたしらしく生きていこう。


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