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「禁断の国史」超面白いので紹介します。(一)伊弉諾、伊弉冉。

 皆様、お正月はいかがでしたか?
 私は、2日に孫たちが来て、3日には友人の家を訪問したのですが、
それ以外は、本を読もうと思いつつ、目も大事にしなければいけないので、なかなか進まなかったのです。
 けれど、超面白い本を頂いたので、その本を紹介してみたいと思います。

 「禁断の国史」という本で、神話から近現代までの英雄100人を、一人を見開きで2ページで紹介しています。
 これ以上は削ぎ落せないというほど簡潔で、著者・宮崎正弘氏の独自の見解もあり、この見解が(異論もあるかもしれませんが)記憶に残る面白さなのです。
 だから、著作権に引っかからないだろう範囲内で
【第一章、神話時代の神々】+神武天皇、までを紹介したいと思います。
 
 私は今まで、ISSAさん、キキさん、kikuzirouさんなどの古代を紹介した記事を読んでいたので、簡潔過ぎるこの本は、頭に入って面白く、大雑把にポイント整理という意味では、とても良かったのです。

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第一章 神話時代の神々

(一)伊弉諾、伊弉冉  (日本国を生んだ すごい神様)

 西欧や中国の神は日本の神々とは異なる。キリスト教のゴッドは「造物主」である。中国ではゴッドを「天帝」とする。
 ところが日本の神々は天地一体、つまりは高天原と地上は交流し、ときに黄泉の国とも繋がる。
 神武天皇が東征の道すがら窮地に陥ると高天原から宝剣をシャーマン的豪族の高倉下(尾張氏の祖先)に降ろし、道案内にはヤタガラスを差し向け、神武天皇が持った神秘の杖には鳶がとまって光り輝く。
 オオクニヌシノミコトが兄たちに殺されかかると、こんどは根の国(地下の国)にいるスサノオに助けを求める。
 天と地と地下が繋がっている。

 神代はアメノミナカヌシ、タカミムスビ、カミムスビ(これら三神は『日本書記』にはない)の三柱からはじまってイザナギ、イザナミまで。

 国生みはイザナギ、イザナミによってオノゴロ島など十四の島々を産み、そのあと再び神々を産んで合計三十五柱。

 イザナギは黄泉の国から逃げるとき追いかけてきた鬼、妖怪たちに桃を投げつけ、奪い合っている隙に窮地を切り抜けた。
 この事例から桃は桃太郎伝説につながり悪魔退治で登場する要素となる。「桃太郎侍」は悪を退治する正義の快男児だ。

 イザナギが禊きの折に投げ捨てた杖から、帯から、衣から、袴から、冠から次々と十二の神々が生まれ、左の眼からアマテラス、右の眼からツクヨミノミコト、鼻から生まれたのがスサノオである。
 スサノオの誕生は鼻息と共に強い生命の息吹を感じる。
 『古事記』の冒頭部分だけでも夥しい神々があらわれる。

 イザナギ、イザナミの物語は聖書でいうとアダムとイブに比較される。
 アダムとイブは禁断の果実を食べて楽園を追われた。
 イザナギ、イザナミの場合は女性から先に誘ったためヒルコが連続して生まれるが、つぎに男性から誘うという秩序、成り立ち、男女のバランスが説かれる。

 このイザナギ、イザナミの国造りの物語で重要なのは、世の中に正義と邪気、明と暗、愛と憎しみ、呪いと修祓、禊による正気の回復、つまりはこの世の原則が謳われ、男は男らしく、女は女らしくが示唆されていることだ。

 また先立ったイザナミを黄泉の国に訪ねたイザナギは、見てはいけないものを見てしまった。
 美と醜、善意と悪意、禍々しき事象が世の中を画期すること、悪魔を追い払うという古代神道の原型がこの神話に込められているのである。
 伊弉諾神社は淡路島に本山が、伊弉冉神社は和歌山県の南端、岩座にしめ縄を張り巡らせて原始的な雰囲気がある。
 神話は生きている。

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見開き2ページだから、分かりやすいでしょう。 
次回は、天照大神です。

 


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