「淵241号」が届きました。#今日の短歌
短歌同人誌「淵241号」が届きました。
今回も、たくさんの短歌の中から、どれを載せたらいいのか迷いますから、
「私の好きな一首選」をUPしてみたいと思います。
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私の好きな一首選 渋谷富子 選
〇 思ひ出は遠く山辺の空にまでその人柄の今に至りて
佐々木誠吾
〇 漆黒の星紋輝く最高美ありや奇蹟の曜変天目
角田章予
〇 厳かな富士の高嶺の番組に心の澱も清められたる
大野雅子
〇 シャボン玉大きく高く追いかける弾んで捕まえ虹色割って
大宮ふじ江
〇 石ころに足を奪われつまづきて大転倒し大地を掴む
澁谷孝男
〇 豊かなる感情ありて老いてゆく南部人種の我が血は強き
丹波ともこ
〇 如月の過ぎてホームの雛飾り憂きこと忘れ笑まうよき月
大下容子
〇 昔辞書 今はスマホで事足りる会話は弾むお茶のひととき
伊達美智子
〇 校庭に百の笑顔の飛び跳ねて千の心が春風に舞う
澤田毬子
〇 かくかくに車の走る尼寺址に過去とうつつの行き戻りつつ
渋谷富子
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私の好きな一首選 大野雅子 選
〇 秋盛る裏磐梯の旅の日の友の招きに頼る我が身の
佐々木誠吾
〇 欠けしままあぶみ瓦の蓮華紋 膨らむ文様清しと見たり
渋谷富子
〇 友選ぶ紅紫のジュリアンは大人色なの上品すぎて
角田章予
〇 実朝の無念の階段佇めば倒れたイチョウに伸びる若枝
大宮ふじ江
〇 陽だまりに雀は集い公園の砂遊びする児らに追われる
澁谷孝男
〇 野の道を氷砂糖をもたなくも未完成でも歩いてゆくのだ
丹波ともこ
〇 冬の星座に懐かしき面浮かびきて今宵はセンチメンタルなわたくし
大下容子
〇 リモートで童謡歌ふ音声の微妙にずれしもものともせずに
伊達美智子
〇 校庭に百の笑顔の飛び跳ねて千の心が春風に舞う
澤田毬子
〇 白梅の早やほころびて近寄ればはつかに香り参道に春
大野雅子
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今回もお読みただきありがとうございました。