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喰い尽くされたのは仄か檻に入り

初読みの作家さん。蜂飼耳さん。
詩学舎での帰り、
「あなたに読んでみて欲しいの」
と先生のプッシュもあって二冊の詩集を借りて帰りました。



赤がお好きなのか、
たまたま私の借りた本が赤かったのか、
きれいな重たい赤色を使う表紙がとてもいいなと思いました。

先に、「食うものは食われる夜」を読み、
この関係性の中にひとは入っているはずなのに、
どこか傍観者を気取っている、
だけど逃れられない想像力からそのどこか妖しい関係性へ足を踏み入れる、
なんとなくの背徳感と、それを犯している自分の興奮がある一冊でした。

すぐに二冊目を読みはじめ、
この本の造りも素敵だわ、としみじみ。
「隠す葉」はより「私」というものに身近な世界の詩集なのではないかな、と思いました。
だからこそ寓話的になり、
折り重なり、その端々に恥じらいや怒り、悲しさが滲んでいる。
読みごたえもあり、
最後の一文に貫かれることが多かったのはこちらでした。

やっぱりはじめての作家さんというのは心惹かれるものがありますね。

どこか耽美なのに泥を纏っているような、不思議な作家さんでした。

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