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秋曈 鋳蔦
2023年6月5日 00:57
ミジンコも宇宙もぜんぶにあの鯨の肌を思い出す海の向こうの遠い国でも 銀河の先の星でも脳の裏でずっと泳いでくれよ
2023年1月2日 20:18
物言う花が咲いているモモノハナ羽衣盗んだら灰にして呑んでやる揺蕩う首筋 三日月印その茎 折ったら終いだお嬢サマ、拝借させて頂きます沁 雪降る泥の飢え沁 陽降る花の思た脳 舌 小指煎じて飲むだけじゃア……熟れたらなンとか心配不要賞味は万事 口付けも微笑む
2022年12月25日 02:08
みな等しくタンパク質の塊なのに世間はくさい社会の匂いがするのにあの子は甘く優しい香りがしてみな等しく皮がくっついて世間は安い剥がれたもの纏わってあの子はふわふわ柔らかいみな等しく脳みそ詰まって世間は量産された蟻の線路を歩くのにあの子は広く海を漂う目が合ってから息が出来なくて酸素も届かず頭も回ってない思考に水が入って沈んでくでも自ら飛び込んだ海だから後悔は微塵もない
2022年12月23日 02:03
海より肉よりもずっと深いところにいる受け売りだけど馬鹿が喜ぶ桜になるなら死体よりもずっと深いところにいる芽吹かなくていい根を這って骨身を折るまで髄までここにいて春風の吹く前に霜焼けの下で凍えてしまって幾億年後に目を覚まそう
2022年12月5日 14:14
舌っ足らず80mgのカフェインを分け合ってスクラロースみたいな俺はほンものの砂糖に甘えてるそうやって眠気ごと飲み干されてる仮止めでしか起きれね、と唸っても成程、カンケーないンだな250mlを飲み干せないならと半分、債務してくれるらしい俺の人生呑ンでくれるらしい
2022年11月15日 01:39
言霊を信じがち、だから、さ糸の絡まりにばいばいは、やめてまたねって、願掛け意地悪なんかじゃなくて寂しいだけの我儘小指を千切るから
2022年11月14日 12:38
荒波で式を挙げよう鉛の海が大好きなンだそんな俺を愛してくれたンだろうこの際は呑まないでやる一枚で良いからさそれが形見になるかもしれないだろう
2022年11月3日 23:17
甘い 甘い 香りに絆されて簡単に誘われてさっさと目に物見せてくれ俺を抱き潰してくれあっけらかんと姿を晒さず扉越しに蹲る俺を見下ろしている甘い 甘い 香りに絆されて簡単に誘われて早く手を差し伸べてくれ俺を絆き殺してくれ
2022年10月18日 02:03
唸り……唸り……酔ってくるかいでもね、危ないッて、言っただろうそりゃあネ、触れて欲しいけどネそら、怯えてら指の隙間から覗いてご覧一つになりたいネ、撫でて欲しいけどネまだ怖いでしょ鈍色の反射が睨んでるけどこれは躾で君のため初心なまま足を滑らせないように
2022年10月21日 17:35
指先が身に這う残り香に露欲情に挟み込まれて蒸せる猫舌のまま呑んで見せよう喉元が勝手に笑う洒落冗談の睨み強情を待てる事が人間の醍醐味だって僕ァ理論伊達てるんだケド君 気にしたことあるかい押花の脆さと言ったら茎を撫でて 葉に触れていく随分綺麗に咲いてくれるね
2022年10月18日 00:55
だらだら塗れた色を摺っている染めちゃあンましよくないンだけど薄汚いからあんましよくないンだけどホルムアルデヒドに指紋を浸して癖の最先端 記憶丸ごと生業にしてます雑音だらけの耳を引っ付けたまま良ォ 聞こえる啜り泣き凝固液が足りないとか全部 針が刺さってる所為
2022年10月13日 21:54
月の裏に行こうか瞬きの合間に辿り着くだろう安心して彼らにも夜はあるんだだから一緒に踊ってしまおうよ冬眠船から抜け出して月の裏に行こうか38万キロメートルを飛び越えて安心して僕らにも夜はくるんだだから一緒に眠ってしまおうよ寒空の窓を開けて安心してアポロ11号なんて嘘だから
2022年10月12日 20:50
君の役はカウブーニャ呪いをかけられたカウブーニャ喉が乾けば目の前に葡萄酒お腹が空けば目の前にパンお姫様 望めばなれるかもね王子様 呼べば来るかもね死んじゃえって君がいったらお終いね僕の役は呪い
2022年10月6日 03:19
なびく帆が折れたって銀食器にとっぷり乗った星粒が僕らの航海を涙している真っ暗な快晴月のお零れが君の頬をなぞる鉛の海に溺れないよう君は手を絡めているなびく帆が折れたって初めから櫂を漕ぐ気なんて無かった夜風の怠惰に乗っかって蝸牛の航路君ごと連れて絶海を彷徨う