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コーヒーと、雑貨と、心地よい空間と 『交点』
こだわりがなくなってきたのがある種、“こだわり”なのかもしれないです
秋田市地域おこし協力隊の名谷宗泰です。
協力隊活動では主に動画や写真を使ったコンテンツ作りをして秋田市の魅力発信を行っています。
↑ 私です。
突然ですが、
コーヒーは買って飲んでいますか?
それとも、ドリップして飲んでいますか?
今まで僕は買って飲んでいたのですが、秋田市へ移住してからドリップコーヒーを始め、今では豆の種類から挽き目、抽出温度、ペーパーフィルターの厚さなど、色々とこだわるようになりました。
コーヒーを淹れるようになって見えてきたのは、ドリップコーヒーの奥深さ。
同じ条件で淹れても、何かがちょっと違うだけで、コーヒーは全く違う表情を見せます。
コーヒーについて色々話したいと思っていた中で、今回は大阪から秋田市に移住して、喫茶と雑貨販売をされているご夫婦、五十嵐聖隆さん・麻友さんに「移住生活とコーヒー」についてインタビューさせていただきただきました。
プロフィール
五十嵐 聖隆 (いがらし きよたか) さん
秋田県潟上市 出身で大学進学で京都へ。
京都に15年、大阪に5年間住み、2018年に秋田市へ移住。
五十嵐 麻友 (いがらし まゆ) さん
奈良県大和高田市 出身で生まれも育ちも関西。聖隆さんと出会い、初めて秋田へ。
【移住生活について】
ー 大阪から秋田へ移住したきっかけを教えてください
[ 聖隆さん ]
関西で勤めていた会社の転換期があり、そのタイミングで今後のことについて妻と一緒に考えました。
考える中で、今まで趣味でやっていたコーヒーでしたが、いつかはお店を持ちたいと思っていたので、このタイミングでスタートしても良いのでは、と思ったことがひとつ。
もうひとつは、結婚した年に祖母が亡くなり急遽 大阪から秋田へ戻った際に、移動するにも結構な距離があることを感じ、今後のことを考えると地元である秋田に住むのがいいのではと思いました。
もともと秋田に戻ることは考えていなかったのですが、色々なことが重なり、秋田への移住を考えましたね。
ー 移住先を秋田市に決めたきっかけは何ですか?
[ 聖隆さん ]
私の出身が潟上市で、秋田市には小さい頃から来ていましたし、母親が新屋出身で新屋のお祭りに参加したこともあり、秋田市に馴染みがありました。また、秋田市が秋田県の真ん中あたりに位置していて、秋田県内の各市町村へ行くときにアクセスしやすいこともあって秋田市に決めました。
ー 秋田に移住した頃に感じたことは何かありますか?
[ 聖隆さん ]
秋田に戻ってくるまでに、SNSで秋田のお店のアカウントを見ていてリアルな情報を得られていたので、そんなに不安もありませんでしたし、移住してからの違和感もそれほどなかったですね。
[ 麻友さん ]
秋田市はスーパーやホームセンターが一通り揃っていて、車があればすぐ買い物に行けますし、日常生活するには十分だと思います。
あと、水が美味しくて、水道水がそのまま飲めるのがびっくりしました。水道水って、加熱したり、湯冷ましにしたりしてから飲むイメージがあったのですが、秋田の水道水はそのまま飲んでもおいしいと思います。
[ 聖隆さん ]
秋田は「あれがない」「これがない」というのも聞きますけど、そんなこともないかなと思います。僕らの感覚ですけど、十分だと思いますね。
ー 秋田に移住して生活が変わったことはありますか?
[ 聖隆さん ]
自宅の近くの川に白鳥が来るのですが、白鳥をよく観察していたのがきっかけで鳥の観察を好きになりました。今まで意識していなかったことも興味を持って見れば楽しみになると感じましたね。小さい頃は当たり前のことだったので分かりませんでしたが、秋田県外に住んだことで改めて秋田は自然が豊かだなと感じます。
[ 麻友さん ]
寒くなる時期が早いなと思いましたね。冬が来ることに対する意識も高くなったと思います。今年の1月は雪がすごくて人生初の雪寄せをして、最初はふかふかの雪にテンションが上がりましたが、自宅とお店と毎日やって、雪寄せの大変さが分かりました。
【コーヒーについて】
ー ドリップコーヒーを始めたきっかけは?
[ 聖隆さん ]
最初は“格好”から入ったんです。自分でコーヒー豆を挽いて、ドリップでコーヒーを淹れるのがかっこいいなと思って。ちょうどコーヒーにハマる頃に、喫茶店を舞台にした「やさしい時間」というドラマがやっていて、よりコーヒーを淹れるのがかっこいいなと思いましたね。何度も淹れるうちに、ひとくちにコーヒーと言っても色々な味わいがあることも実感してどんどんのめり込んでいきました。
ー コーヒーを淹れるときのこだわりはありますか?
[ 聖隆さん ]
こだわりはだんだん変わってきていると思っていて、最初ハマっていたときはテクニカルというか、コーヒー豆を何グラムで、どんな抽出方法で、どれくらいの抽出時間で、という部分が気になってやっていたのですが、最近は「あたりさわりのないコーヒー」が淹れられたらいいのかなっていうを思ってます。
「あたりさわりない」という言葉はどちらかというと、あまり良い文脈では使わないことが多いかもしれないですが、「あたりも、さわりもない」というのは、むしろ大事なんじゃないかと思っていて。
目が覚めるような、びっくりするような美味しさのコーヒーはもちろん美味しいもので、僕たちも飲みたくなる時もあるのですが、それよりも毎日飲んでいて「あたりさわりのないようなコーヒー」のほうがいいのかなと思ってます。
こだわりがなくなってきたのがある種、“こだわり”なのかもしれないです。
[ 麻友さん ]
あと、季節によってコーヒーの抽出濃度を変えようと思うという話があって、夏はさっぱり飲めるように、冬はこっくりみたいな。テクニカルじゃない肌感覚な部分もあるのかなと横で見ていて思いますね。
ー 「交点」という空間の、心地よいバランスについて
[ 名谷 ]
僕は最初、交点さんに来た時に「カフェ」っぽくないなと思って。どちらかというと「セレクトショップ」みたいな感じがしたんです。おふたりを軸にいろんなものが揃っていて、コーヒーも、ここにあるものも、空間も。
僕は今までお店でコーヒーを飲むというとチェーン店しか行ったことがなかったので、画一的な感じというか、そういうイメージしかなかったのですが、交点さんに来てから、コーヒーを飲むイメージが変わりました。
[ 聖隆さん ]
「お客様が求めるもの」と「自分たちが出したいもの」のバランスは、多分どのお店でも考えられていると思うんですけど、交点は個人店なので、自分たちの感覚をなるべく大事にしながら、それを押し付けないようなバランスを考えていますね。
名谷さんが受け取っていただいた感じが、おそらく僕らがここで過ごしてもらえたらいいな思っているかたちに近いかなと思うので、ありがたいなと思います。
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美味しいコーヒーを飲めるのはもちろん、
ここにしかない、居心地のよい空間にとても癒やされます。
自分らしい「交点」の楽しみ方を見つけに行ってみてください。
交点 - 喫茶と日々をくらすこと -
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【著・撮影:秋田市地域おこし協力隊 名谷 宗泰】