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ハッとするような語りを楽しむ|映画感想「ミステリと言う勿れ」

去年から気になっていた映画を観た。
テレビドラマで菅田将暉さんが主演したシリーズの劇場版だ。

(この映画がお好きな方は気分を害してしまうかもしれません。ご了承ください)

✒遺産相続、居眠り運転、自殺、先祖からのしきたり

天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(菅田将暉)は、美術展のために広島を訪れていた。そこで、犬堂我路(永山瑛太)の知り合いだという一人の女子高生・狩集汐路(原菜乃華)と出会う。「バイトしませんか。お金と命がかかっている。マジです。」そう言って汐路は、とあるバイトを整に持ちかける。それは、狩集家の莫大な遺産相続を巡るものだった。

Amazon作品紹介より

序盤で
「ホラーな人形です!サスペリア2で走ってくるようなやつです」
「いや、そんな大きく無いでしょう」
という会話があって、

「いや、それで伝わるんかい!」と思ったけれど
ここに引っかかった私は、犯人にも早めに行き着いてしまった。
ミステリの劇場版としては、謎の部分が薄かった気がする。

時代を超え、何年も前の事件や一族全体も巻き込んだ話になっているのに、なぜだろう。事件が解決した!というカタルシスを楽しむタイプの作品ではないのかもしれない。

なんだか、いきなりマイナスなことばかり書いてしまった。

けれど、最終的には、
観てよかったと思っている。

整くんの語りがよかったからだ。
せっかくなので、3つ紹介したい。

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1.「自分が下手だって気がつくときって、目が肥えてきたときなんですよ」
本当に下手な時は、ダメなところに気付けない。下手だと思えた時こそ、伸び時。

2.「子どもは馬鹿じゃないです。子どもの頃、馬鹿でしたか?」

3.海外の刑事ドラマでは、犯人を殺してしまったり、ひどい目に会った刑事はカウンセリングを受ける。カウンセラーの許可が出ないと復帰できない。これは、人の弱さを認めているからだと思う。
対して日本では、弱さは負けで、悩むことさえ良くないような、相変わらずの根性論。

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このキャラクターが好きだと思わせる力は、この映画に確かにあった。

整くんの話を、もっと聞いてみたいと思うようなシーンがいくつもある。
今度は原作漫画を読んでみよう。
文字でセリフを噛みしめるのが楽しみだ。

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