調味料のミニマリズム
ロンドンでのロックダウンの中、「節約」というのは大きなテーマになる。無駄な買い物はしたくないし、まして家で料理するといっても余計なものも買いたくない。
3カ月程度で家を転々としているような僕の現状では
「いかに少ないもので多くのものが作れるか」
ということが勝負になってくる。だからこそ、服などに限らず「調味料」ということでも「いかに、安く、少なく」と考えてしまう。今日は、そんな僕なりの調味料の「ミニマリズム」を書いていこうかなと思う。
あくまで言っておくが、僕がこれから書くのは「これ」があればいろいろなものに使える、余計なものを買って「使わずじまい」にならなくていい、という意味で書いていくので、それ以外のもの(塩コショウとか当たり前のもの)はあることはわかっておいてほしい。
和食なら、めんつゆ
日本ならどこにでもある麺つゆ。ロンドンだって日本食スーパーに行けば大概どこにでもある。これほど和食の万能調味料はないと言ってもいい。
実際、麺つゆに入っているのは
しょうゆ+だし+日本酒+砂糖+みりん
わざわざ自分で独特の味付けをしようとか思わなければ、これらをわざわざそろえなくても簡単に和食のものは作れてしまう。
お吸い物に、そばつゆ、てんつゆ、めんつゆ。煮物におひたし、お雑煮…
和食だけでなく、洋食や中華でも味のベースとして使うのもいい。
ロンドンだと麺つゆも若干高めではあるが、ほかのものを買いそろえて「使わなくて困る」というものが生まれるくらいなら、使い切れるものだけをもってちゃんと使う方がずっといい。
中華なら、鶏がらスープの素と海鮮醤
中華料理を作ろうかな…
そう思ったら、この2つで大体問題のない味になる。
鶏がらスープの素は言わずもがな、鶏ベースのしょっぱい粉。スープでも何でも、味付けなら粉なのでなんでもいける。簡単なスープならこれにお湯を入れれば完成だ。
一方、海鮮醬は甘い、液状の甜面醬といったようなものだ。中華炒めにするならこれ1本で大丈夫といったところだ。作り置きにもなる肉みそもこれ一本でつくれるし、かなりの節約にもなる。
これらも中華街に売っているものからイギリスのスーパーに売っているものまでさまざまにあるから安くそろえられる。
万能な、はちみつ
何か、甘いものを食べたいな。お茶やコーヒーを甘くしたいな…
そう思ったら、はちみつだ。
パンに塗れる、飲み物に溶かす、お菓子作りにも使える。
それだけでない。はちみつはお酒(日本酒/白ワイン)と組み合わせれば、みりんの代用にもなる。砂糖を使うよりも使う幅が大きいのだ。
砂糖に比べたら高めではあるかもしれないが、容易に使い切れる量だし、なにより砂糖よりも健康的だ。
洋風だけでない!パスタ
主食となるものの中でも「パスタ(スパゲティ)」というのは、安い。安いものだと500gの袋で20ペンス(30円)程度だ。
パスタはもちろんイタリア料理の代表格なので洋食を作るならもちろん重要だ。しかし、パスタを重曹と一緒にゆで上げると中華めんのような味わいになる。
これを利用すると中華めんとして代用ができる。鶏がらスープがあればスープもできて疑似ラーメンの完成だ。肉みそとあえればジャージャー麵、辣油とお酢とマヨネーズで油そばも作ることもできる。適当な具材と炒めれば焼きそばも出来上がる。
袋ラーメンが1袋50ペンス(75円) する中で、1回のパスタ(100g) で4ペンス(7円)で済むとなると、いかにパスタが安上がりか!
少ない中でレパートリーを増やす
僕の思う「料理が上手い」の定義はこうだ。
少ないものでもおいしく作れる
モノがいくらでもあったらそりゃおいしいものも作れるでしょう。
でももし、「冷蔵庫にこれしかない!」とか「調味料がない!」としたら?
「これがないから作れない」では料理ができるとは言えないだろう。
冷蔵庫にあるものでやっつけで作ってもおいしく作れる、そういうのが「料理が上手い」ということなのではないのだろうか。
だからこそ、世の中の親御さん方で残り物で料理を作り上げてしまう方々。
きっとおいしい料理を作っていることでしょう。