見出し画像

言語化することの重要性

「もっとコミュニケーションをとろう」「安心して」「みんなで頑張ろう」

こうした言葉を聞くことは多い。しかし、これらの言葉を本当に信じられるだろうか?

「誰と?」「誰にとって?」「誰と?」

具体性がない言葉は、伝わらない。むしろ、誤解を生み、相手を置き去りにする。「言語化する」とは、相手に自分の意図を正しく届けるための手段だ。今回は、曖昧な言葉を排除し、目的や根拠を明確にすることで、リーダーとしての言葉の力を磨く方法を考えていこう。

1. 「誰と?」をはっきりさせる

「もっとコミュニケーションをとろう」

こう言われて、あなたは何をすればいいか具体的にイメージできるだろうか?上司と?チームのメンバーと?他部署と?それともクライアントと?

コミュニケーションをとる相手が明確でなければ、行動にはつながらない。

例:

  • 「明日から、Aチームの〇〇さんと進捗確認のミーティングを週1回行おう」

  • 「営業部との連携を強化するために、月1回の合同会議を設定する」

このように、具体的な対象と行動を明示することで、初めて言葉は機能する。

2. 「誰にとっての安心?」を考える

「安心して」

この言葉も曖昧だ。「安心」とは、人によって感じ方が異なる。何をもって安心なのか、誰のための安心なのかを明確にしなければ、単なる自己満足の言葉になってしまう。

例:

  • 「新人が安心して働けるように、マニュアルを整備し、質問しやすい環境を作る」

  • 「クライアントが安心して契約できるように、リスク説明を詳細に行う」

「安心」という言葉を使うなら、どの対象にとっての安心なのか、そのために何をするのかをセットで伝える必要がある。

3. 「誰と?」を具体的にする

「みんなで頑張ろう」

この言葉を聞いて、「みんなって誰?」と思ったことはないだろうか。

リーダーとしての言葉は、具体的な行動を促すものでなければならない。「みんな」という抽象的な表現では、誰も動けない。

例:

  • 「開発チームと営業チームが協力して、3月までに新製品のローンチを成功させる」

  • 「プロジェクトメンバー全員で、週1回の振り返りを行い、課題を共有する」

対象を明確にすることで、「誰が」「どのように」関わるのかが伝わり、行動につながる。

4. 決めつけず、目的と根拠を示す

リーダーの言葉が独りよがりになってしまうと、メンバーの納得感は生まれない。

例えば、 「このやり方が正しいから、こうしよう」

と言われても、「なぜ?」と思うのが普通だ。

リーダーとしての発言には、目的と根拠が求められる。

例:

  • ✕「この手順で進めるのがベストだから」

  • ◎「この手順で進めると、作業時間が30%短縮できると過去のデータで確認されている」

根拠があるからこそ、言葉に説得力が生まれる。

5. 言語化の力を鍛えるために

言語化の力を高めるには、次の3つを意識することが大切だ。

①「何を伝えたいのか」を整理する

話す前に、「自分は何を伝えたいのか」を紙に書き出してみる。

②「相手にとって分かりやすい表現になっているか」を考える

専門用語や曖昧な表現を避け、誰が聞いても理解できる言葉を選ぶ。

③ フィードバックを受ける

伝えた内容に対して相手がどのように受け取ったかを確認する。相手の反応を見ながら、伝え方を改善する。

6. 言語化することで、リーダーとしての信頼を築く

リーダーに求められるのは、曖昧な励ましではなく、明確な方向性を示す言葉だ。

「コミュニケーションをとろう」ではなく、 「週1回、Aチームと情報共有の場を作る」と伝える。

「安心して」ではなく、 「新入社員が不安なく働けるよう、OJT制度を整える」と具体化する。

「みんなで」ではなく、 「このプロジェクトメンバーで、3ヶ月以内に結果を出す」と対象を明確にする。

言葉の曖昧さを排除し、目的と根拠を持って伝えることで、リーダーとしての言葉は強くなる。

言語化することは、単なるスキルではなく、信頼を築くための武器である。

春からリーダーとしての役割を担うならば、まずは「自分の言葉がどれだけ伝わるものになっているか」を意識することから始めよう。

曖昧な表現をなくし、相手にとって分かりやすい言葉を使うことで、チームの動きは大きく変わる。

言葉の力を磨き、自分の意図が正しく伝わるコミュニケーションを目指していこう。

まとめ

言語化とは、単に話すことではなく、相手に伝わる言葉を選び、明確に表現することだ。具体性がないと、コミュニケーションは成立しない。

  • 「誰と?」を明確にすることで、行動に結びつく言葉になる。

  • 「誰にとっての安心か?」を考えることで、本当に意味のあるサポートができる。

  • 「みんなで」ではなく、具体的な対象を示すことで、協力体制が明確になる。

  • 目的と根拠を示すことで、リーダーとしての発言に説得力が生まれる。

これからの時代、リーダーに求められるのは「伝わる言葉の力」だ。言語化を武器にし、確かな信頼と成果を築いていこう。


最後まで読んでくれてありがとう!

有限会社ティー・エス

いいなと思ったら応援しよう!

あきら
よろしければ応援お願いします! いただいたチップは、地域を支えるための事業としての活動費に使わせていただきます!