「勉強する気はなぜ起こらないのか」のレビュー
「勉強する気はなぜ起こらないのか」外山美樹著(筑波大学教授)のレビューをしていきます。昨年は豊島岡女子で出題、今年も光英VERITAS、横浜女学院で出題されていました。読み物としてもおもしろいので親御さんにもおすすめします。2023年11月の教室通信を加筆修正してアップしています。
私個人の経験として、やる気は波があるので大きな波が来た時にはブレーキを踏まずにとことんやることがポイントだと思っています。勉強が苦手な子はそこで知らず知らずのうちにブレーキを踏んでしまうんですね。たとえば、やる気に満ち溢れているときは新しいテキストをもらったときなどです。次のタイミングは春期講習のテキストを配付された時がチャンスかもしれません。
第1章 やる気は内からわくのか、外からくるのか
中学受験生にやる気を出させるには目標を設定することがカギのようです。私の経験上も学校見学など勉強の目標となる行動を積極的に行っている人はやる気があるように感じます。(当然親御さんの協力が必要です)一方で、残念ながら中学校を見に行ったことがないという子もいます。
6年生の秋になると学校見学の時間もなかなかとれないので5年生までに幅広く見ておくことをおすすめします。説明会や文化祭は争奪戦ですからそれ以外の日でもよいので校門の前まで行ってみましょう。守衛さんに声をかけて事務室まで資料をもらいにいってみるなどチャレンジしてみることをおすすめします。大学付属などは大学が開門してしていればキャンパス内はフリーで入れることもあるので、行ってみる価値はあるかもしれません。(立教新座、学習院などはおすすめです)
第2章 なぜ誘惑に負けてしまうのか
私自身はToDoリストを作って消し込みをしていくことで達成感を味わうようにしてモチベーションをあげています。算数の問題を解くときは簡単な時は15題ずつ解くようにして難しいときは5題ずつなど③の負担をおさえる作戦は使っています。①は私の得意な作戦です(笑)入試に入る前に仲間と食事に行く約束をして乗り切りました。(かにを食べに行きました)
皆さんにはこの春を乗り切るコツを紹介しておきます。今つらい人は参考にしてみてください。
・現状維持を心掛ける
・計算はためても一日まで
・塾は遅れても休まず行く
・ハーゲンダッツの新作を食べる
・スタバの新作を飲む(私も新作が出たら必ず飲みます)
・宿題は途中まででも大丈夫
・あと少しで春休みが合言葉
第3章 目標設定で差をつけよう
3章の内容は保護者会でよくお話しする内容です。クラスアップ(他者との比較)を短期目標に設定すると早い段階で受験生活が暗礁に乗り上げます。まずは自分が努力すればできることを目標にして1つ1つ成功体験を増やしていくことがポイントです。漢字テストで満点を取る。計算ミスを1問以内にする。本を週に1冊読む。ゲームは1日30分以内にする。などできることからやることをおすすめします。
第4章 やる気を左右する周囲の存在
レベルが高い学校に入りたいと思うのは普通のことでしょう。そこの心配はしてもしょうがないように思います。(レベルの高い学校に入ったらついていけないのではいう心配)
この章で学びがあったことは
・過去の自分と比較する
これはおすすめしたいです。2か月前にできなかった問題ができたというのは自信につながります。
できなかった問題にしるしをつけて期間をおいて再アタックしてみるのです。
・自分より少し成績のよい人と比較する
競争心の強い子どもであれば有効かもしれません。
・自分の能力にあった集団に所属する
塾のクラスがこれにあたるでしょう。クラスの最下位にいるよりは1つ下のクラスの上位の方が授業の理解度も増して成績の伸びを実感できることは経験上多いです。特に算数で顕著です。国語やその他の科目で上位クラスにいる場合は、算数はついていけてなくて自信を失っていることもあるかもしれません。ここは塾と相談して算数でクラスを決めてもらうか、個別などでテコ入れをしてもらう必要があるかもしれません。
第5章 ネガティブでも大丈夫?
この本で一番のおすすめは、この第5章です。保護者会などで入試に向かう時はポジティブ思考でとつい話しがちですが、人によって違うというお話しです。ネガティブであっても事前に防衛策を講じておけば成功できるということです。失敗するかもしれない。ではどうすれば…という考え方ですね。
第6章 やる気がなくなったとき
3章にあるように小さな目標を1つ1つクリアしていくことが大きな目標をクリアするコツのように感じます。階段の1段を低くしてあげて、そして確実に前に進むことが成績向上そしてやる気アップのコツなのでしょう。人は人、自分は自分。自分なりの小さな目標を設定して、そして確実に前に進んでいきましょう。