わたしとヨーガと神に関するはなし②
社会人になると、学生時代よりも更に自分の弱さと向き合うことになった。営業の仕事をしていたが、面倒くさいことやしんどいことからすぐに逃げようとしてしまうのだ。
怒りや恐れの気持ちを抑えることができず、お客様に対する態度が悪くなり大変なクレームを作ってしまったこともあった。嫌なことから逃げるから、やるべき事ができず納期や約束を守れないこともたくさんあった。
そうこうしているうちに、仕事が激務だったことや、妹と父の病気が重なり、思考と肉体のバランスがごちゃごちゃになり、会社に行けなくなった。何度も駅でバタバタと倒れた。しかも「今ここで倒れたら会社行かなくてもいいから」と意識しながら倒れていた。見知らぬ人に迷惑をかけ、とにかく辛かった。
ようやく会社を休むことができ、自宅でぼんやりしながらたまたま読んだのが海外の自己啓発本。目に飛び込んできたのはこの言葉だった。
You have a right to be here.
あなたはここにいていいんだよ
衝撃を受けた。
ここにいてはいけないと思っていたからだ。
会社にも、家族にも、だ。仕事では会社に貢献できていないし、家族のためにも何もできていない、駅で確信犯的に倒れるし、と罪悪感ばかりだった。
でも「あなたはここにいていい」なんてこと誰も教えてくれなかったし、言ってくれた事ない、自分で思い込むこともできない。実感が湧かない。どうしたらいいのか??
そこでふと思い出したのは、高校生の頃から考えてきた神様のことだった。これは海外の本だからきっとこれはキリスト系の考えなんだ、と安直に思ったのだ(ホントのところは分からないけど)
いつも神様が見守ってくださっている
わたしのことは全て神様が受け入れてくださっている
罪も悪も受け入れてくださる
もし、神様が「ここにいていいんだよ」と言ってくれてるとしたら、なんだかわかんないけど、大丈夫なような気がした。
でも神様ってやっぱりよく実態がわからない…
そこでひらめいた。
そうだ、神様は自分の中にとりあえず居るってことにしちゃおう!
わたしの事を周囲の誰も認めてくれないとしても、わたしの中の神様はわたしがやったことをすべて知ってるはず、見ているはず。それでいいやってことにしちゃおう!
どんな形か姿かはよく分かんないけど、神様は自分の中にちゃんといるって思い込んでみよう!
こんないきさつで、わたしは自分の中に神様がいる説を信じ始めた。
単純に思い込めるタチなのです。
かなり苦し紛れの策ではあるけれど、自分の中に神がいる説が功を奏してか、元気になり、その分、仕事に意味を見いだせなくなって転職をし、結婚もした。
しかし、自分の中に神がいる説を信じたとしても、それは緊急事態を乗り越えるための術だった。わたしの中のブラック部分がすべて解消されたわけではなかった。
結婚後は近所で働こうと考え、正社員を目指したけれど難しく、派遣社員で働き始めた。
わたしは正社員ではない自分が嫌だった。サポート的な仕事しか任されないことも嫌だったし、人事の仕事をしていたので、自分が受けることのない福利厚生や給与計算に関わるにつれ、社員との待遇の差を感じ、惨めな気持ちにもなった。「ハケンさん」と時々ひとくくりにされることもとても嫌だった。
わたしは大卒なんだから、こんな仕事をやるべきではないし、こんな扱いも受けるべきではない、と思っていた。「わたしはこんなところで終わる人ではない」と考えていた。(文字にすると、結構キツいね)
学歴や親からの期待、それらと自分を比較し、今のわたしは出来損ないだ、学歴にも親の期待にもそぐわない人生を歩んでると毎日思っていた。「自分は出来損ない」と思う気持ちが強くなり、本格的に心を壊した。心療内科にも長く通い、カウンセリングも受けた。
この当時、「自分の中に神がいる説」はすっかり忘れていた。今思えば、謎の罪悪感、わたしなんか生きていてすいませんの思いが上回っていたんだと思う。
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