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「11ミリのふたつ星」を読んで
砥上裕將著「11ミリのふたつ星」(発行所:㈱講談社)を読んだ。
書店で、何だろうと手に取ったのはだいぶ前。でも、会計する前に「7.5gの奇跡」に出会って、それを先に買ってしまった。
年末頃に、「線は、僕を描く」、「一線の湖」も読んで、映画も見て、マンガも見たので、著者の熱烈なファンのよう。著者のインタビュー記事もいくつか読んだ。
本書は、何処にでもいる医療従事者の、しかも新人の話。
どちらかと言えば「ヘタレ」な彼が『自分の仕事』と自覚し努力を重ねる。
やがて、『逃げちゃダメなものが、やって来た』、と感じる時がくる。
それが、大きな成長につながっていく。けど、苦しい。大変だ。
「そんな時があったなぁ」と若い頃を思い出す。たぶん、誰にでもある。
誰か、手伝って欲しい。
でも、誰も手伝えない・・・自分自身の力で乗り越えるしかない。
そんな通過儀礼のようなストーリーが楽しい一冊。
見えなくなることの怖さ
現役の頃。大阪から京都駅に向かい、そこから支線に乗る途中だった。
大阪を出る時、いつも使っているメガネをカバンに仕舞い、本を読みながら移動時間過ごした。 いつの間にか京都駅に着いて、慌てて降りた。
駅の通路に出た。
じっと目を凝らして駅のサインボードを眺めるけど、何て書いてあるか読めない。
見えない。
えっ、どうした・・・。そこでメガネを仕舞ったままだったと気付いた。
いつの間にか、あんな大きなサインボードすら見えなくなっていた。
いつもメガネを掛けているので、こんなに視力が低下してたなんて、気付かなかった。
数年前、ジョギングの途中で失神し、頭を打った。
大事には至らなかったものの、目の中に、微かな黒い点(影)が残るようになった。飛蚊症か、と思ったものの、どうも様子が違う。
眼科に通った。結局、治ることなく、今も目の中に微かな黒い点があって、右を向いても左を向いてもついてくる。ちょっと煩わしい。
僅かな点なので、物事を見るのに支障はない。慣れてしまえば何ともない。Noteを書く時とか、集中していると、ほとんど黒い点は消える。
今のところ医者からは、クルマの運転を控えるように等の示唆もないので、生活に支障もない。
「目」は、人間にとって、弱点のひとつ。
急性内斜視 コワっ
本書と前作は、視能訓練士が主人公の話。
読んでいると、自覚症状のない視野狭窄の話が出てくる。
あれっ? 自分は大丈夫なのか、と訝った。
本書の登場人物たちのような不安と自己不信が心をよぎる。
本書で一番気になったのは、、ゲームのやり過ぎによるスマホ内斜視のところ。「急性内斜視」のことを言うらしい。
私も現役時代、PCを使う事が多い仕事で、目が痛くなる事がしばしば。
好きで始めた仕事で、筆頭株主兼代表取締役兼実務責任者なので、まぁ、ハードワークになるのは仕方ない、と思ってたけど、下手をすれば「急性内斜視」になっていたかも、と思ったらゾッとした。
口や鼻、耳なら、ちょっとぶつかっても「痛いなぁ」くらいで済む。
だけど、目は違う。ちょっとしたゴミが入っただけで、涙が出てくるほど弱っちい感覚器官。
仕事をしただけで目が傷つくなんて・・・
でも、私なんかは、まだいい。だって、スマホやPCが本格的に普及していったのは大人になってからだから。
若い人たちは、子供の頃からゲームやSNS等々で、スマホやPCに触れる機会が山ほどある。
みんな、くれぐれも「目」を大切に。
(敬称略)