ゴミに願いを
朝、起きてすぐにやることは、ゴミ出し。
晴れていても、雨が降っていても、暑くても、寒くても、分別したゴミを集積場まで持っていく。それが一日の始まり。
朝に強いわけでもないから、お酒を飲んでも、寝るのが遅くても、前の日の夜に、直ぐに持っていけるようにゴミ出しの準備をしておく。
別の事を書こうと思ったら、ゴミの話をしてしまった。少し、昔を思い出した。
ゴミ処理場のお手伝い
働いていた頃、ゴミ処理場の仕事にも関わったことがある。
ゴミ処理業務に直接携わったわけではないけど、何度も処分場に足を運び、関係者と意見交換したり、講師をしたり、環境マネジメントシステムをつくったりした。
ごみ処理場だけでなく、中間処分場やリサイクルセンター、最終処分場に行ったし、し尿処理場、下水処理場や浄水場、最終処分場など、各地の施設にも行ったことがある。
例えば、家庭用の一般ごみ
私たちは、家で要らなくなったものをゴミとして集積場に持っていくだけだけど、そこから先は結構長い道のり。
集積場のゴミは、パッカー車と呼ばれる専門のゴミ収集車で収集し、役所の清掃工場に運ばれる。清掃工場には、次々とパッカー車がやってくる。ピーク時には、パッカー車が並んで渋滞してる。そして、一台一台から吐き出されるゴミは、ゴミピットと呼ばれるゴミ置き場に放り込まれる。
ピットと言っても、モノによっては20m以上の深さの穴で、学校の25mプールを縦に突っ込んだ感じ。とてつもなく大きい。何気なく捨ててる家のゴミを集めると、それだけの場所が必要になるわけだ。壮観。
清掃工場の操作室にいる担当者は、その深い穴に入っているゴミの山に、ガサッとクレーンを差し込んで掴み、ゴミ投入ホッパーに入れる。もれ落ちるゴミをものとせず、次々とクレーンを動かす。
巨大なクレーンゲームを思い起こさせる。けど、物凄い騒音の中で、粉塵が舞い散り、広過ぎる一帯は少し悪臭が充満してる。圧倒されて、目に焼き付いて離れない光景。「やっぱり、ゴミは減らさなきゃな」って思う。
ポッパーに入れて、燃やせば終わり、というわけではない。分別処理したり、減量かしたり、いろいろ手をかけてからも燃やすし、その先も灰になるまで作業は続く。
清掃工場では、毎日のように捨てられるゴミを燃やし続けなきゃならないので、焼却炉が壊れたら大変だ。だから、二炉とか、三炉とか、複数の焼却炉を順番に使ってることが多い。使わない時は、こまめに点検整備して、少しでも長持ちするようにしてる。
例えば、焼却炉が壊れたら、補修するか、建て直すしかない。もちろん、建て替えともなれば、お金もかかるし、何より地元の方々の理解も必要。合意形成までに時間もかかる。けど、その間でも、毎日、ゴミが押し寄せてくる。
何処の地域でも、ごみ処理は苦労してる。
「思い遣り」が大事
家庭での「ゴミ出し」は、後事を託すってこと。思いやり。
ゴミ集積場にゴミをもっていく時、「ありがと。後は任せた」って心の中で呟いている。寝起きでボーっとしているので、毎日じゃないけど・・・
関係者の皆様に、感謝してます。
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