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【読書】シグマフォース/タルタロスの目覚め The Last Odyssey
久しぶりのシグマフォースシリーズです。タッカー&ケインの二作を読んで待っていた新作がようやく出たのですがその間にもスティーブンキングの大作がたまっていたため読むのが遅くなってしまいました。
シグマフォースシリーズもこれでNo.14、No.0を入れると15冊目。毎回ド派手なスケールと奇想天外な展開で楽しませてくれますがさて今回はどうだったでしょうか。
原題のOdysseyとタルタロスとは?
Odysseyとはホメロスの叙事詩オデュッセイアのことです。小説の冒頭でも解説されているのですが、かの有名なトロイ戦争とその後について書かれているものです。描かれたのは紀元前8世紀。なんと3000年前!これほど古いとなると描かれている内容の信憑性ってどうなんでしょうか?というのが始まりです。
でもトロイ戦争は遺跡発掘から史実であったことが証明されているのでここに描かれていることが全て嘘とは言いきれなさそうです。
他にもギリシア、ミケーネ、エジプトの三代青銅器文明がなぜ滅びその後暗黒時代があったのかを誰も説明できないのですが、ここに謎の第四文明がいて第0次世界大戦があったのではないか、という意見も出てきました。
それとタルタロスはギリシア神話の地獄ですが、じゃあそれはどんな地獄だったのか、というあたりが本作のキーとなるようです。
いつものメンバー
シグマフォースといえばレギュラー陣がいます。中でもグレイ、セイチャン、コワルスキーの3人は外せません。今回もこの三人が大活躍します。
シリーズを読まれている方はご存知かと思いますが、グレイとセイチャンには子供が産まれています。ジャックという可愛い男の子です。セイチャンは母親として、グレイは父親としてうまくやっていけるのか、意外とみんなが気にしていると思うところをきちんと書いてくれていて嬉しかったです。
そして私の大好きなジョー・コワルスキー。ゴリラのパーゴとのやりとりが素晴らしかったイブの迷宮で知り合ったマリアクランドールとその後いい関係なのですが、あの作品でコワルスキー大丈夫かな?と思わせられた不意があり、それが今回も最後に出てきます。シグマフォースシリーズだから何がおきても不思議じゃないのですがここまで丁寧に育てていたキャラクターなので、ヴィゴー達のような目には合わせないで欲しいです(正直あれはショックでした)。
挿絵が欲しい!
小説の描写は丁寧で想像力を膨らませることができ、非常に楽しいのですが、翻訳のせいなのか、元々の記述のせいなのか、時折見たこともないもの、場所の表現が恐ろしくたくさん出てきてこんがらがります。この作品に限ったことではありませんが、イメージしやすい挿絵とか欲しくないですか?
読み終えて
面白かったけどちょっと最後はこじんまりと纏めたのかもしれないですね(これ以上やると収集がつかない?)。今回のギリシア、ローマ、エジプトあたりは神話、伝説がいっぱいあって子供の頃にそういう神話をまとめた本をいっぱい読んだ私にとってはそもそも大好物なお話でした。
結局のところ第四文明とかどんな人たちがいてどうだったのか、ってところはあんまり解明されず、どうやらホメロスはここまで来たんだろうとか、今回の冒険のきっかけとなったモーセの息子たちがたどった道もこうだったんだろうという謎解きに終始してしまいました。グレイらしさが出ていてリズムがあり、あれはあれで好きな流れなんですがちょっと色々な謎ときがはぐらかされて肩透かしをくらった感があります。
ちなみにクレタ島のミノタウロスの迷宮の遺跡は観光したことがありますが本当にあったので、この本を読んでまた行ってみたくなりました。それとサルディニア島も気になりましたね。
さて、シグマフォースはすでに次の作品が年内(翻訳は来年)に控えているということで楽しみです。また新しい作品が出たらご紹介したいと思います。
おすすめ度:★★★☆(3.5)展開にひねりがなく、ちょっと後半息切れしたかな?ファンすぎて厳しい評価だったら御免なさい!
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