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お茶を日常に


お茶を日常に

広島在住、和装家の晶子と申します。
銘も何も無い菊柄の御茶碗、
名古屋の実家の母から持たされております。


子供の頃、名古屋の実家での話。

同居の祖父母あてにお客様が訪ねて来ると、祖父母がまず座敷にお客様を招き入れ、次に母がお抹茶にお菓子を添えて座敷に運び入れてました。

※座敷とは簡単に説明すると、
お客様を迎え入れる和室の畳敷のお部屋のことです。床の間があり、季節の飾り付けがしてあります。※

お抹茶は電気ポットの湯で母が適当に点てていました。
お菓子は二人静または両口屋是清など、日持ちする干菓子が日常でした。

また別の日、祖母に連れられ寺に墓参りに行くと必ず御庫裏様(御住職の奥様のことを祖母はそう呼んでました)に庫裏に招き入れられ、そこで点ててくださったお抹茶と干菓子を頂いてました。
当時幼稚園児だった私の最高の食べ物と言えば「牛乳とショートケーキ」だったので(笑)
お口の中にくっつく干菓子と苦くて仕方の無いお抹茶と言う組み合わせは、とても苦手で苦痛な時間でした。
(牛乳もってきて〜→当時の心の声(笑))


そんな日常の風景をふと、思い出した瞬間が、コロナ禍にありました。

私は茶道速水流広島直門会の下っ端に所属させてもらっています。コロナ禍でなかなかお稽古が開催されずzoomで御家元から直々に稽古をつけてもらっていた時のことです。
御家元から、
現代は、日常行われている茶道のお稽古にまで「茶室で行われている特別な礼式」に変わりつつありますが、
本来お茶とは、人と人とを繋ぐものであり、
お稽古とは、日常におもてなしをする、おもてなしが出来るようになるよう稽古を積み重ねるのです、
といった意味合いの事をお話されていました。

そのお話を拝聴しているうちに、
おもてなしの原点はそこにあるのだと気付きました。
その瞬間、お客様をもてなす実家の様子の記憶が蘇ってきました。

そう言えばこの菊の柄の御茶碗、もしかしてその時に使っていた御茶碗のうちのひとつかも、、、

それに気付いた瞬間、
「お茶を日常に」を、どんな形でも良いから実践してゆこう、
周りの人をお茶でもてなしてゆこう、
そう心に誓いました。


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