たまには学校を休んで、秘密のデートしよう
ここ最近、考えていることがある。
学校には、毎日行かなくていいんじゃないかなあ。
そりゃ、自分の子どもには、できれば毎日、元気いっぱいに登校してほしい。
毎日、楽しかったあれこれを持ち帰って、おやつや夕食の場で、色々な話を聞かせてほしい。
それに、母だって仕事をしたいし、ボランティアにだってきちんと通いたい。たまには羽を伸ばして、お友達と美術館やランチを楽しみたい。
だから、つい最近まで、子どもが学校や幼稚園へ行きたくないような素振りを見せると、「なにー!」と心の中がざわつき、なんとかして行かせようと、あの手この手を繰り出していた。
だけど最近は、「子どもたちも、しんどいんだろうな」と考えるようになった。
「学校に行かせる大作戦」を頭の中で練り上げるのは、ただの無駄だと思い至った。
***
まずは、この暑さである。暑いというだけで、私たちの小学校時代(昭和)とは体にかかる負担が違うだろう。
それに、具体的なことは言えないのだけど、自分たちの時代より、プレッシャーのような、圧力のようなものが強いのではないだろうか。
先生たちも、きっと昭和の先生像とは変わってきている。
学校や先生方の多忙が叫ばれる昨今である。教壇に立つ先生に余裕がなかったり、笑顔が乏しかったりすれば、敏感な子どもたちはネガティブなものを受け止めるのではないだろうか。
悲しいことだけど、牧歌的な学校風景は、もはや幻なのだ。
子どもたちは、大人が思う以上に、心身をすり減らせているのだろうと思う。
***
今朝のこと。
息子は「お腹が痛い」「喉が痛い」と言って、ソファで寝転がっていた。あまりにも「痛い」が続くので、「では休もうか」と学校を休んだ。
しかし、9時にもなると、「お腹が痛い」は消えていた。涼しい顔をしてソファに身を預け、ひとり漫画を読んでいる。
私は息子の横に腰掛けて、こう言った。
「お腹、まだ痛い?」
はにかむ息子。「ううん」とちょっと笑いながら答えた。
「そうだよね。ーーーーー学校、行きたくなかったの?」
コクリと頷く。
学校で何かあったのだろうか。私の腕の中で、息子はしばらくじっとしていた。
息子を両腕で抱っこしている間、前からなんとなく考えていたことを、頭の中で整理して息子に伝えた。
「あのさ、学校を休みたいときは、嘘の病気になるんじゃなくて、『休みたい』って正直に言っていいよ。だって、もったいないでしょう? 学校を休むなら、どこかに一緒に行こうよ。電車に乗ってお出かけできるし、ランチを食べに行くこともできるよ。秘密のデートって感じでしょう。
もし、『そろそろ休みたいな』ってなったら、早めに教えてね。お母さん、調整するから。たまにはいいと思うよ。毎日ちゃんと学校に通っていて、みんな本当に偉いわ」
息子はちょっと驚いたような、戸惑ったような顔をした。「うん!」とは言わなかった。
あれ、おかしなこと言ったかな? 別に出かけたいわけじゃない?
家でゆっくり過ごしたいだけ?
***
息子の反応はイマイチだったけど、親子で平日を過ごすための「子どもと一緒・有給休暇」とか、あったらいいよね。
親子で過ごす「秘密のデート」って、子どもはすごく喜ぶ。
特にきょうだいが多い家庭の子どもにとっては、「お母さんを独り占め」「お父さんを独り占め」できる時間は至福のはずだ。
「学校は毎日行くもの」という価値観を捨てたら、肩の力がスッと抜けて、解放的な気分になってくる、かも!
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