アルセーヌ・ルパンの大いなる秘密を追う⑫-『女探偵ドロテ』錬金術と不老不死-
Akiko Nishimoto lit.link(リットリンク)
みなさん、こんにちは!
今回のブログで、『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』の観点から見た女探偵ドロテは最終回にしたいと思います。
女探偵ドロテのあらすじを簡単にまとめています↓
アルセーヌ・ルパン『女探偵ドロテ』-隠された財宝を巡る冒険!イン・ロボール・フォルチュナとは?-|西本亜希子 (note.com)
In robore fortunaイン・ロボール・フォルチュナと刻まれた金メダルを、ついに手に入れたドロテは、財宝に一歩近づきます。
金メダルの片面に、ラ・ロッシュ・ペリアック城の大時計の前と書かれており、その場所を目指すわけですが、このラ・ロッシュ・ペリアックのモデルとなったブルターニュの街を上記の過去記事で書いているので、興味のある方はご覧ください♪
再読するまで忘れていたのですが、このペリアック島は、満潮になると島に通じている道が海の下に沈んでしまうため、絶海の孤島になるんですね。
しかも、ドロテの先祖であり、財宝を残したボーグルヴァル侯爵は、錬金術師でもあったようで、不老長寿の霊薬(エリクシル)を自ら作り、200年後の1921年(ドロテの時代)に復活すると信じていたのです。
ここまで読んで、あれ⁉と思った方がいらっしゃるかもしれません。
そうです、バール・イ・ヴァのストーリーとの共通点です。
バール・イ・ヴァも潮の満ち引きと錬金術がストーリーの重要な要素として関係していますね。
そして、このボーグルヴァル侯爵は、『ジュール・ヴェルヌの暗号』によると、サン・ジェルマン伯爵や薔薇十字団を連想させるのだとか。
言われてみると、ルブラン氏はボーグルヴァル侯爵のモデルとして、サン・ジェルマン伯爵を思い描いていたのかもしれません。
サン・ジェルマン伯爵には、不老不死の伝説がありますからね。
ミステリアスこの上ないサン・ジェルマン伯爵もこれから調べてみたいんですが、同じくサン・ジェルマン伯爵に興味を持ったナポレオンがこの伯爵の資料をテュイルリー宮殿に集めるよう指示した後、この宮殿が火災で焼失してしまって、その時にサン・ジェルマン伯爵の資料も失われてしまったようです(´;ω;`)残念💦
サンジェルマン伯爵 - Wikipedia
で、ラ・ロッシュ・ペリアック城のフォルチュナ礼拝堂に、ドロテを含めたボーグルヴァル侯爵の子孫たちが集まってくるわけですが、公爵は大時計のある広場から数百歩ばかり離れたコクサンの塔で眠っている、ということを子孫たちに(200年前に書いた)手紙で伝えます。
『ジュール・ヴェルヌの暗号』によれば、このコクサンの塔があるあたりの風景描写が、テンプル騎士団と関わりのあるジゾール城the castle of Gisorsを連想させるのだとか。
私、ジゾール城というお城を初めて知り、調べてみたのですが、ノルマンディーにある要塞も兼ねた古いお城のようで、確かにテンプル騎士団と関係があるお城のようです。
ジゾール城 | History Encyclopedia-オンライン世界史用語集- (call-of-history.com)
そして、この城の地下聖堂にはテンプル騎士団の財宝が隠されていると言われています。
Château Fort de Gisors (Gisors) | Vexin Normand Tourisme (vexin-normand-tourisme.com)
そして、ジゾール城Le Château de GisorsのYouTubeも見つけました!
Le Château de Gisors - L'Eure et ses secrets - Épisode 3/4 (youtube.com)
YouTubeを見ると、確かに女探偵ドロテのペリアック島でのクライマックスの場所と雰囲気が似ている気がします。
(ジゾール城は、ブルターニュではなくノルマンディーにありますが・・)
最後に1点、偕成社さんの女探偵ドロテでは、財宝である4つの赤いダイヤモンドが隠されていた木が楢ではなく、なぜか柏になっているんですよね・・・。
なぜ⁉
そこだけ気になりますが・・・💦
今回のブログで女探偵ドロテは、一旦おしまいにしたいと思います。
女探偵ドロテを再読して気づいたことは、ルブラン氏はフランスの歴史に詳しい方なので、錬金術とか秘密結社とかも含めた歴史のミステリーに興味があったのかな、と思えました。
ルパン作品は歴史と絡んだ作品が多いのも頷けますね。
次のブログでも、『ジュール・ヴェルヌの暗号』からアルセーヌ・ルパンの作品を取り上げたいと思いますが、どの作品にするかまだ迷っています。
少し前のブログで、カリオストロ伯爵夫人に登場する北斗七星などを取り上げたので、この物語をみていくかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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