
赤い館の騎士-マリー・アントワネットを救え!-タンプル塔に通じる秘密の地下道②
みなさん、こんにちは!
今日は、前回のブログ👇の続きを書きたいと思います。
(今回もネタバレ注意です!)
赤い騎士がパリに舞い戻った夜に、ジュヌヴィエーブを助けたモーリスは、それ以降、彼女のことが頭から離れなくなり、彼女を見つけるためにパリの街に頻繁に出かけるようになります。
そして、ある工場に辿り着くのですが、その家主に彼女を探していることを告げると、数人の男性がモーリスを追いつめ、どうしてこの場所が分かったんだ⁉と言って、彼を殺そうとします。
しかし、一瞬の隙を見て監禁されていた部屋から逃げ出したモーリスは、全速力で走って逃げるも、目の前には塀が立ちはだかっていて、出口がない!逃げられない!!
さあ、どうする⁈
そこで、彼は同じ敷地内にある窓のついた家を発見!
その窓に体当たりで飛び込みます。
そしたら、なんと!!そこには彼が探していたジュヌヴィエーブがいたのでした!
もう、ここまでのシーンが本当に躍動感&臨場感があって、どうしてデュマはこんなに物語の描写が上手いのか、と唸るほど・・・👏
モーリスが必死に逃げて、窓に飛び込むシーンとか、ちゃんと想像できるんですよね。
その後、工場主とも和解して、モーリスは食事に招待されることに。
工場主であるディメールは、この工場が密輸に関わってるから、その秘密をモーリスに知られたと思って、彼を追い詰めたと釈明。
モーリスは、食事の席で、赤い騎士がタンプル塔に現れたことを話し出す。
赤い騎士が表れた話をすると、その場にいる全員が静まり返ったり、人々の顔の表情とかが細かく描かれていて、この食事のシーンで、工場主は只者ではないなとか、食事に同席している市民モランが、もしかしたら赤い騎士なのでは⁉と、読者は早い段階から気づくのではないでしょうか。
実は、この工場は隠れ蓑で、赤い騎士を含め、王党派一味の隠れ家だった!ということがストーリーが進むにつれて明らかになっていきます。
モーリスが許されたのは、実は彼はタンプル塔に自由に出入りできる身で、マリー・アントワネットとも会ったことがあるから・・・(すなわち、彼を利用できるかもしれないから)なんですが、当のモーリスは物語の終盤になるまで、この隠れ家のことや王党派一味のことに、なかなか気づかないんですよね・・・💦
なぜかというと、ジュヌヴィエーブが好きすぎて、あまり周りが見えていない状態になっちゃってるんです💦
工場で働いていて(とモーリスは思っている)、ジュヌヴィエーブと常に近い距離にいるモランを激しく嫉妬したり・・・💦
王党派一味は、王妃をもう一度救出すべく、タンプル塔正面にあるラ・コルドリー通りRue de la Corderieにある家を買うことに。
その家は、上の階から、タンプル塔内の庭を見渡すことが出来るという、王妃救出作戦にはもってこいの場所❤
続いて、一味はこの家の地下室から、タンプル塔に通じる地下道を掘って、救出作戦を着々と進めていきます。
このラ・コルドリー通りなんですが、現在はもう存在していないだろうと諦めていたんですが、見つけました💪
しかも、メトロのタンプル駅のすぐ近くにあるんです!


タンプル塔があった場所は、以前YouTubeで紹介しているので、良かったら観てみてくださいね(ブログ一番下にリンクを貼っておきます)👇
王妃救出作戦を実行に移すべく、王党派の一味は、タンプル塔で働くボーイも連絡役として買収し、マリー・アントワネットに救出作戦がもうすぐ行われることを伝えようとします。
それは、(マリー・アントワネットは、毎日アーモンドミルクを飲む習慣があったらしく)救出のことを書いた手紙をアーモンドミルクのふたにして巻き付け、その手紙は火に近づけると字が浮かび上がって読める仕組みになっている、という手の込んだものでした。
このくだりを読んだ時、王妃は、フェルゼンとも炙り出しの手紙で連絡を取り合っていたことを思い出しました。
フランス革命の時は、こういった連絡手段が本当によく使われていたんだろうなと思います。
王妃は、タンプル塔で、食事中も見張られ、警備も徹底的に厳しく行われていたため、王党派も慎重に慎重を重ねて、ボーイを介した王妃との連絡手段も、かなり考え抜かれたものでした。
例えば・・・
ボーイが目をこする→新しいニュースがある
ボーイがナプキンをかけ替える→救出が外からくる
マリー・アントワネットは、このボーイの動作&炙り出し手紙から、近々救出が行われることに気づきます。
そして、いよいよ救出作戦決行の日がやってくるわけですが・・・
それが、あの有名なカーネーション事件です。
この事件は、残念ながら、結果的に王妃がコンシェルジュリーに移される一因になったのではないでしょうか。
まあ、この事件がなくても、最終的に移される可能性は十分あったわけですが・・・😥
次回は、このカーネーション事件を中心に、赤い騎士のストーリーを終えたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。