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しびれた書き出し3選 2024
今年はこれまで読んでこなかったジャンルに手を伸ばすことが多く、いい出会いに恵まれたなと本棚を眺める。
その中でも冒頭数行で「うーわ好き…」と衝撃をうけた作品を2024年の締めくくりにしようと思う。
2023年10月からnoteを始めたので、そこから2024年12月まで。
順位はつけられないので読んだ順で。
■ いつかたこぶねになる日 | 小津夜景
今日、自転車を漕ぎながら、詩っていいものだな、と思いました。
あー好き。やっぱり好き。
海岸線沿いのまっすぐな道、白いワンピースをハタハタさせて真っ青な空に太陽の眩しさまで感じる。
書き出しから最後までずっと良い。良すぎてしばらく他の本が読めなかったのよ。
続編はのんびりお待ちしております。楽しみ楽しみ。
■ 女生徒 | 太宰治
あさ、眼をさますときの気持ちは、面白い。
女子じゃん。
太宰治が読めるか自信がなかったけれど、書き出し読んでハイ買い。表紙もかわいい。
このあと『人間失格』『正義と微笑』など太宰治ブーム到来。『正義と微笑』すごくよかった。
■ 掌の小説 | 川端康成
谷には池が二つあった。
下の池は銀を焼き熔かして湛えたように光っているのに、上の池はひっそり山影を沈めて死のような緑が深い。
うーわ好き。
銀の重みと濃度。鈍い光。ぐっとくる。
私は景色がブワッと立ち上がる文章が好きなんだとわかってきた。この書き出しじゃなかったら川端康成を読もうとしなかったかもしれない。
番外編。
□ なしのたわむれ | 小津夜景 須藤岳史
古典に描かれた世界は、しばしば現代人からすると奇異で非日常に感じられますが、古典とは読んで理解するよりもまず浸るものであり、溺れるものであり、追いかけても追いかけても作品に手が届かないといった距離の感覚に圧倒されるものです。
これは書き出しでもなく、はじめにでもなく、表紙の折り返しのところ。ページをめくる前。
あふれる宮沢賢治愛をどうしたらいいかわからなかった時期で、これが答えだ!と震えた。
とはいえ、ここに付箋を貼るとはよもやよもやなのである。
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今年計算外だったのが、夫から「マックで読書しませんか」とたびたび誘われるようになったこと。子供の頃の星新一しか読んだことないという夫が今は東野圭吾にハマっている。
ちょっと、すごく、うれしい誤算。