あきかん

精神病の母と私のモノガタリをつらつらと。 だれかに聞いてもらえるだけで心が軽くなりますね。

あきかん

精神病の母と私のモノガタリをつらつらと。 だれかに聞いてもらえるだけで心が軽くなりますね。

最近の記事

“私と同い年になった母”の変化

母は精神病である。 ある日、母は「なんだか若い頃の自分に、人格が戻った気がするの」と言った。 「うんうん。そうしたら、同い年くらいかな。」と答える私。 ある程度のことには慣れっこになっている私。 いつも通り、驚くこともなく、母の話を聞いていた。 それから数日、数ヶ月、 たしかに、母は以前とは違うのだ。 以前の母は、ロジカルで合理的で、 「人生は金」なんて言うような人だった。 ひとりでなんでもできて、とんでもなく自立していた。 気性はジェットコースターのようで、幼い頃か

    • 母にだけ共感できないのはなぜか

      自分で言うのもなんだが、私は共感力が比較的高い人間だ。 人の気持ちに敏感だし、人の表情や声色で 相手がどういう気持ちなのかが分かるほうだと思う。 友達との会話では「わかる!」が口癖だし、 はやりの(もう古い?)MBTI診断ではISFPだった。 しかし、なぜか母にだけは共感ができないのだ。 母は何事も少々大袈裟で、理解が難しいことがよくある。 少し指を切っただけで救急車を呼んだほうがいいかと悩むし、 軽い風邪をひいただけで、もう死ぬかもしれないと言い出す。 (いつもそんな

      • 母に「あなたを産んだ記憶がない」と言われた話

        ある日、母に「あなたを産んだような気がしないのよね」と言われた。 “知らない人”というわけではないが、自分の子どもだという感覚でもないらしい。 私が、31歳の時のことだった。 母は認知症でも、記憶喪失でもない。 精神病なのだ。 母は言う 「眠っていた人格が起きてきて、あなたを産む前に戻った気がする」と。 私は驚かなかった。 「そっか、それなら今同い年くらいかな?」と笑ってみせた。 母が“普通”とは違うと気付いたのはいつだっただろう。 どうやら、私が生まれる前からうつ病