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「手仕事の日本」 柳 宗悦 著

「手仕事の日本」 が書かれた時代


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柳 宗悦 先生の「手仕事の日本」が書かれた時代は 昭和十八年

西洋は、機械生産真っ只中
逆に、手仕事が大切だと改めて認識されるようになりました。

しかし、当時の日本はまだ手仕事(手工業)が多い社会でしたが

手仕事が大切だと思っていない状態でした。


ただし日本は手仕事の国。
日本を「手の国」と呼んでいい。

例えば手や腕という文字が入っている言葉がたくさんあります。

上手 下手 手堅い 手並みがいい 手腕 腕利

日本の民藝を探す旅

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柳先生は、日本国中を訪ね 旅をされました。

その中で数々の優れた品物が各地に今も続いて造られている事情がわかり、各地方ごとに民藝を紹介されています。

今自分が住んでいる地域の部分だけ読んでも面白いともいます。

私の昔住んでいた場所も紹介されていました。

窯があり、瓶などが造られている というように書かれていましたが、今はもう見る影もありません。このように、もう廃れているものもありました。

授業化するならば、現在と過去を比較する授業があっても面白いと思います。

柳先生もこの著書の中で

最もその中にあるものは、周いの事情に押されてまもなく絶えようとしている

と言われています。悲しきかな、現在ではもう絶えてしまったものもあります。

逆に観光資源として、名産品として残っている民藝品もあります。


立派な技を無駄なことに費したりしている
何が正しい品物か知らないからに他ならない

無名性

現在では、手作りの器などは、作者名がわかっていたり書かれていたりします。というより作家さんの作品 みたいになっています。

しかし 真の民藝品は

一つとしえ作った人の名を記したものはない
個人の名は何処にも書いていない

美術品と呼ばれているものを見ると、皆 銘が書き入れてある 落款が押してあります


柳先生曰く、無名の職人だといっても蔑んではなりません。
その背後にある伝統は大きな力があります。

名を記す必要がない品物の値打ちをもっと認めなければならない

確かに、これが自分が作ったもの! と主張したいし、受けて作者を知りたかったりします。

自分の名を誇らないような気持ちで仕事をする人たちのことを、もっと讃えなくてはならない。

というように言われています。考えさせらる本でした。

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