創意工夫で旅を楽しむ!グルテンフリーな人たちの「健康」を守る「お食事の要件」
こんにちは!
前回はグルテンの含まれている食品や食材について、ご紹介しました。
グルテンの含まれているものは、とってもたくさんありますので、すべてを挙げることは難しいのですが、小麦やライ麦が原料となっているものだけではなく、加工食品にも、クロス コンタミネーション(交差汚染)や添加物などにグルテンが含まれている可能性があることをお話しました。
(グルテンが含まれている、さまざまな食品・食材はこちら↓)
そして、あなたが大切なゲストとお食事を共にするとき、お相手がセリアック病と診断されている場合は遠慮せず、お相手に相談しましょうね〜、とご提案しました。
セリアック病の人たちも、ご自身の病気と向き合い、知識を持って対処されています。
病気の話はしづらいな・・と遠慮して、せっかくのお食事の機会を逃してしまうよりむしろ、オープンに話して、楽しいお食事のひと時を過ごせたら素敵ですよね!
ということで今回は、セリアック病の人たちが旅行をするとき、どのような点に気を付けているか、まとめてみました。
空の旅
空の旅の場合、空港のセキュリティを通るときに、「医療用食品を運ぶことを許可する医師のメモ」を見せることで、ピーナッツバター、ヨーグルト、スムージー、スープなど、液体とみなされるものを含む食品を機内に持ち込むことができる場合があります。
飛行機の機内食では、グルテンフリーの食事に対応できるようになってきています。
たとえばこちらの写真、ANAのグルテンフリーミール。
製造過程でのグルテンの混入可能性については確約ができないとのことですが、ANAに限らず、多くの航空会社がこのような特別食の用意があります。
(事前予約が必要です)
宿泊
グルテンフリーの食事を提供するホテルが増えてきました。
ただ、旅先で食事をするのはホテル内だけではありませんよね?
セリアック病の人たちがホテルを選ぶ場合、グルテンフリーのメニューのあるレストランや食品・食材を扱っているスーパーが周辺にあるか、ホテルに確認した上で予約をすることが多いようです。
そして万が一、ホテル周辺にグルテンフリーのレストランやスーパーがない場合を想定し、電子レンジでチンしたり、熱湯を注ぐだけで食べられる、「予備のグルテンフリー食品」も持参します。
そのため、ホテルの部屋に、冷蔵庫と電子レンジ、電気ケトルがあることの確認も怠りません。
グルテンフリーの食品・食材を扱うスーパーが近くにない場合でも、新鮮な果物や野菜、チーズなどにはグルテンが含まれていないので、一般のスーパーで買い物をしても食事を楽しむことができますが、その場合は調理をする必要が出てきますよね?
ここで出てくるのは、宿泊施設の選択肢のひとつとして、すっかり定番となったAirbnb。
Airbnbであれば、キッチンで自炊ができる宿泊施設を利用することが出来ちゃいます!
自炊をする場合は、クロス コンタミネーションを防ぐために、自分で「お食事セット一式」(My鍋、Myフライパン、My調理器具、My食器など)を持参したり、現地で安い調理器具や食器を調達したりするようです。
言語
訪れた国の言語で、「グルテンフリー」「私はセリアック病です」という言葉のメモを差し出せるように準備をしておく人もいるようです。
ただ、旅先によってはセリアック病自体が広く認知されていない可能性もあるので、見せられた人の反応には、バラツキがあるかも知れません。
とは言え、メモを持ち歩くということは
一緒にお食事をする相手やお店の店員さんに、
自分がセリアック病であることを伝える
ということ。
相手に伝えることで、自身の健康を守ることの大切さが説かれています。
冒頭にお話した通り、あなたがセリアック病の人とお食事を共にする・・ことになった場合、遠慮せずご本人に相談しましょう!とお伝えした理由は、ここにあります。
情報とコミュニティの活用
旅先でもスマホは、私たちの航空券として、地図として、お財布として欠かせませんが、セリアック病の人たちが訪れた先で簡単にグルテンフリーのお店レストランやスーパー、パン屋さんなどを検索できるアプリ「Find me Gluten Free」も登場しています。
このアプリは店舗情報だけではなく、ユーザーの口コミ情報(食事のレビュー、スタッフの知識、クロス コンタミネーション、レストランが安全だと感じたかどうかなど)も閲覧することができます。
もちろん、セリアック病でない人で、グルテンを避けたい人たちにとってもお役立ち情報だと思います。
また、こちらのサイトのように、旅先でのグルテンフリー食生活を守るために、さまざまなサービスを提供しているサイトもあり、旅行先のグルテンフリー状況、グルメ情報、おススメ観光スポット、グルテンフリーにまつわる現地用語集などが掲載された、グルテンフリートラベルガイドを購入することができます。
ちなみに、グルテンフリーの人たちが日本に旅行するときの注意事項は、このように書かれています。
● 醤油を使った食品や食材が多いので、グルテンフリーのMy醤油を持参しましょう
● 信じられないくらい、イタリアンレストランが多いです
※パスタ、ピザなどグルテンを使ったメニューが多いという意味
「信じられないくらい」という表現に、ちょっと苦笑してしまいましたが、たしかに日本にはイタリアンレストランが多いかも知れません。
いかがでしたか?
セリアック病の人たちが旅先でも食事を楽しめるような情報が、色んな形で提供されており、自炊の可能性も含めて旅行を楽しんでいること、伝わりましたでしょうか?
食事の制限と向き合うセリアック病の人とお食事を共にする機会があったら、ぜひグルテンフリーの食材・食品で創意工夫を一緒にしながら、楽しい思い出を作ってくださいね (^_−)−☆
これまで、異文化のさまざまな観点からご紹介した「お食事の要件」シリーズ。
ところで日本は、「お食事の要件」から見て、どのように評価されているのでしょうか?
ディスタンスが和らいで行くにつれ、外国人の来日が再開し、あなたがゲストと日本で食事を一緒にする機会が増えるかも知れません。
お食事を一緒にする機会はなくとも、ホテルや旅行関係のお仕事をされている方は、彼らから「お食事の要件に見合ったレストランの予約」のリクエストを受けたり、飲食店で働いている方は、彼らに食事を提供したり、店舗や食品メーカーで働いている方は、商品に関する問合せを受けたりする機会が増えていくでしょう。
そのためには、宗教や個人のポリシーや健康上の理由などによる「お食事の要件」を持つ人たちが、どのような視点で日本の食文化を受け入れているのか、私たちも知っておいて損はないと思います。
次回からは「お食事の要件から見た日本の食・おもてなし」についてお話します。
そして、あなたがゲストをおもてなしすることになったら、役に立つ・・かも知れませんので、来たるべき日にそなえ、一気に参照できるよう、「お食事の要件」をマガジンにまとめておきますね☆