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仕事がストレス解消の手段になってはならない
4月17日、覚醒剤取締法違反の罪に問われた元プロ野球選手・清原和博被告の初公判が行われた。
清原被告が覚醒剤を使用し始めたのはプロ野球選手を引退した2008年以降からだったという。
公判の中で清原被告は「現役時代はストレスや不安を野球で解決できたが、引退後は解決方法をなくし、薬物に負けた」と述べた。
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仕事でストレスを解消することの危険性
清原被告は覚醒剤を使い始めた理由について「野球のストレスやプレッシャー、不安は野球で解決できたが、社会の中のストレスや不安は解決法がなく、こういう思いから薬物に手を出したのだと思う」と述べている。
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こうした証言から、彼のストレス解消の手段が「仕事」そのものにあったことがうかがえる。
通常の場合、ストレスは仕事以外の趣味や活動によって発散される。
だが、この社会の中には清原被告と同様に仕事そのものがストレス解消の手段になっている人も少なからずいる。
仕事が通常どおりできる状態なら大きな問題がないが、病気やリストラなど何らかの事情で仕事ができなくなったときは危険である。
危険性の高い人の特徴
一般的に、ニュースなどの報道では覚醒剤を使用した「芸能人」が大きく取り上げられる傾向がある。
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しかし、よく調べてみると会社員や公務員も覚醒剤使用で逮捕されている。
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覚醒剤を利用する人たちは、不真面目で法律を守ろうとする意識が希薄な人たちばかりではない。
むしろ真面目で責任感が強く、仕事熱心な人たちの方が多い。
また、その反面で仕事以外のことに対して関心が薄く、積極的に取り組むことがない。
仕事以外にストレス発散の手段がないことに気づいていない人も多いかもしれない。
長時間労働とストレスの関係
日本は他の主要国に比べて長時間労働している人が多いといわれている。
厚労省の審議会資料では、正規雇用者のなかで週60時間以上働いている人の割合は、男性で16.9%、女性で7.5%にのぼるという。
政府は長時間労働の是正に向けてさまざまな政策を打ち出しているが、まだ十分に徹底されていないのが現状だ。
長時間労働が当たり前になっている環境では過剰なストレスを溜め込みやすい環境にある。
ストレスを溜め込むことで心身に大きなダメージを受ける人もまだ多い。
また、企業内には仕事をストレス解消の手段としている人たちが少なからず存在し、その異常性が長時間労働によって見えづらくなっているという問題もある。
彼らは一見仕事に打ち込む熱心な働き手のように見えるが、その内実は極めてもろく、壊れやすい。
企業側は一刻も早く自主的に長時間労働を是正し、新たな犠牲者を出さないよう努める必要がある。
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