【詩】振り子
夜の波
ざわめく死
遠ざけて
窓を
ビルの風
ささやく死
掴めない
手すり
正方形に
囲まれた
鉄柵に
うずくまる
この惑星が
高速回転する
振り落とされる
空が
無数の
円を描いて
わたしを
追い出そうとする
お願い
来ないで
死にたくない
死にたくない
わたしはもっと
生きたい
赤い灯火は
青の火柱へ
天をめがけて
昇ってゆく
星は一斉に
宇宙へ帰る
とどまらず
流れる
心の
澱みまでも
負けないくらいに
踊ってみせる
大地に
かかとを
埋めて
負けないくらいに
回ってみせる
死にたい声を
振り落とす
死にたい声を
振り落とせ
生きたいくせにと
頬を打て
生きたいくせにと
空を飛べ