【要約】異能の掛け算|新規事業を成功させる科学的な方法〜誰でも実践可能
「なにか自分でビジネスを始めてみたい。。」
そんな方にぴったりの一冊を紹介します。
今回は井上一鷹著「異能の掛け算 新規事業のサイエンス」を解説していきます。
この本の著者は、戦略コンサルタントや企業の新規事業部のメンバーとして15年もの間、新規事業に関わってきました。
本書では、そんな新規事業一筋の著者が、長年の経験と科学的根拠から生み出した新規事業の「チーム論」と「方法論」が誰でも実践しやすい形で文章化・フレームワーク化されて紹介されています。
このメソッドはすでに300社以上が導入し、効果を挙げています。
この本を読めば、新規事業の「チーム論」と「方法論」を学び実践することで、自分の事業に生かすことができます。一緒に学んでいきましょう!
もし新規事業に既存事業と同じアプローチをしようとしているなら、大きな間違いです
事業には以下3つのフェーズがあります。このうち新規事業にあたるのは上2つの「0→1」と「1→10」です。
新規事業(0→10)の既存事業(10→100)との大きな違いは、無数の選択肢の中で正解がわかりづらい不確実性が支配しているゲームであるということです。
そのため既存事業とはアプローチの方法が全く異なります。新規事業の世界に挑むには、派手な事業成長や既存事業の成功体験を忘れる(アンラーニングする)ことが第一歩です。
では、実際に新規事業を成功させるための「チーム論」から見ていきましょう。
求む、Biz・Tech・Creative人材!
初めのチームには、Biz(ビジネス)・Tech(テック)・Creative(クリエイティブ)のBTCの3種類のタイプの人材が必要不可欠です。
今の時代に事業インパクトがある新しいサービスやプロダクトを作ろうとすれば、ビジネスの知識による大胆な事業計画、もしくは多岐にわたる技術領域やクリエイティブの力による体験の差別化が必要です。
新しい価値を作り(Tech)、顧客に有用(Creative)な形で、持続的(Biz)に届けなければ、事業としてうまく成長し続けることができません。
BTCそれぞれの具体的な業務の役割として、レモネード屋で例えると以下のような感じになります。
このようにBTC人材は、どれも初期のチームに欠かすことのできない存在です。
初期チームにベストな人数
本書では、新規事業の初期のチームは5人以内が望ましいとされています。
それは、個々人が自分の専門性を出し切ることができる、互いを活かしあうシナジーを生むのが5人までだからです。
これはロビン・ダンバーの提唱した「5-15-50-150-500の法則」に基づいています。5人以内の集団は協調行動を促しやすく、逆にそれ以上増えると周りに埋もれたり、自分の貢献を感じにくくなりコミットメントが下がります。
新規事業は正解のない世界で、最速で最小価値を作ることが求められます。最小人数でチームを組むことで以下のようなメリットがあります。
こんな新規事業でのNG行為をやっていませんか?
本書では、新規事業のフェーズでやってはいけないことが大きく2つ紹介されています。
やってはいけないことその1: 事業開発に慣れないうちに50%で参加する
事業開発に慣れていないうちは50%参加は原則避けるべきです。
他の業務と半々で業務を行うと、刻一刻と状況が変化する新規事業においては他メンバーとスムーズな情報連携がしにくくなります。また、本人にとって優先度の高い作業に偏りがちになります。
複数の業務を並列の優先順位で掛け持つことに慣れるまでは、できるだけ100%で数回経験した方がベターです。
やってはいけないことその2: 10%参加の人は意思決定に絡まない
10%参加の人が意思決定に絡むのは避けるべきです。これは外部の有識者にコンサルを頼む際などに起こりがちです。
その道のプロに意見をもらうことは有意義ではありますが、実際プレイヤーとして実行するのは100%稼働のメンバーのため「指摘はもっともだが、今のリソースではできない」など意見と現実のギャップが生じがちです。
あくまでも参考として視点提供を受けることだけに役割を絞るべきです。
正しくサービスデザインを行う方法
ここまで、新規事業の本質や、新規事業に取り組む上でのチームづくりについて解説してきました。これらは新規事業を進めていく上でとても重要な要素です。
しかし、これに従ってどんなにBTCで優れたチームを作れたとしても、正しい方法でサービスデザインを行なっていかなければ、0→10は成功しません。
本書ではバリューデザイン・シンタックスという、サービスをデザインしていく上でのフレームワークが紹介されています。
このフレームワークは数々の新規事業の経験および研究をしてきた著者とその研究チームが「プロダクト開発までに想定していた仮説の要素」と「後で振り返ると考察しておくべきだったと語られる要素」を20項目抽出して作成されています。
その使い方から注意点までかなり具体的に説明されていて、本書の通りに進めていけば、サービスデザインがおおよそ完成してしまうようなレベルです。
僕も実際にこれを使って自身のnote運営についてまとめてみましたが、自分の持っていた展望の甘い部分が見える化され、今後のサービスデザインの方針についてかなり明確になりました。
詳しくはぜひ本書を読んでみてください↓↓
まとめ
今回は、井上一鷹著の「異能の掛け算 新規事業のサイエンス」について解説しました。
著書ではこの記事で書かれている内容をより詳しく説明しています。中でもサービスデザインの具体的な方法や、BTC人材のそれぞれの観点からのサービスデザインアプローチなどは必見です。
「新規事業を成功させたい!」という方は実際に手に取って読んでみてください。
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