心理的安全性が確保された学級とされていない学級
心理的安全性を教師も学ぼう!
(※今回の「参考書籍」)
このようなあなたにオススメです!
✅ 心理的安全性を学びたい
✅ 教育に心理的安全性を取り入れたい
✅ 教師一人の力に依存しない学級経営を行いたい
心理的安全性がない学級
心理的安全性は,医療,ビジネスの世界でまず研究され,認知されてきました。
徐々に,教育界にも,「心理的安全性」を学ぶことが大切だとされてきています。
学級経営や授業において,心理的安全性の確保が必要と認知されてきたのです。
もし,学級に心理的安全性がなければ,どういう状態になるのでしょうか。
まず,授業中の子供の発表が,パラパラと少人数が挙手するだけか,
もしくは,
特定の子に偏っています。
発言することに,恐れを感じている状態だからです。
「全体の場で,発表することに緊張するのかな?」と教師は勘違いします。
そして,「4人ぐらいで話し合ってごらんなさい」と指示します。
4人班なら,話しあえるだろうと思うわけです。
ところが,4人班ですら,自分の意見を言おうとしないのです。
目立つ子が,意見を最初に言って,みんなが「そうだよね。」,「賛成」などと言って,終わりです。
「話し合い」にならないのです。意見の交流にならないのです。
根本的に,「発言すると攻撃されるかもしれない。みんなが認めてくれるか不安だ」と思える状態だからです。
授業中,自分の意見を堂々と表明できない。
これで,子供は成長するでしょうか。学力は伸びるでしょうか。
結論として,心理的安全性の確保に失敗している学級では,1年経っても,「できない子ができないまま」ということになります。
本当に恐ろしいことなのですが,現場では,1年経っても「できない子はできないまま」で放置されているのです。
心理的安全性の確保された学級では
では,反対に心理的安全性が確保された学級では,どういう様子が見られるのでしょうか。
まず,意見を堂々と表明できるようになります。
仮に,この意見に賛成しているのがたった1人いうような状況でも,意見を堂々と言えるようになります。
また,様々な意見が自由に出されます。
よって,次のような状態になるのです。
Aの意見に賛成 15人
Bの意見に賛成 10人
Cの意見に賛成 5人
Dの意見に賛成 3人
Eの意見に賛成 1人
こういった具合です。
そして,少人数の人でも,どうどうと多人数に反論したり,おかしさを指摘したりできるのです。
だから,授業では様々な意見交流が起きて,学びが深く,広くなるのです。
次々と高い目標に挑戦するようになる子供達
心理的安全性を確保は,現代の学級経営では,必須のものだと認知されるようになったのも,1年後の子供の成長が著しく違ってくるからです。
授業や学級経営にも,心理的安全性の概念を学び,そして確保することが必要だと認知されるようになったのです。
心理的安全性が確保された学級では,次のような状態が見られるようになります。
「次々と高い目標に子供達が挑戦するようになる」
普通に考えて,「絶対に達成できない」,「途方もなく高い目標だ」と思えるような,目標を公言し,挑戦するようになるのです。
そして,周りの子も応援するようになります。
温かい言葉かけをするようになります。
教師もまた励ましや指導をします。
すると,その高い目標を本当に達成できるのです。
こうして,成長していけるのです。
学級が落ち着いたことで満足していないか?
落ち着いている学級は,どの学級も心理的安全性を確保できているかと言えば,そうではありません。
つまり,次の二つはまったく違うのです。
①落ち着いている学級
②個人や集団がハイパフォーマンスを発揮している学級
しかも,①と②には,本当に天と地ほどの差があるのです。
もちろん,②の学級こそ,心理的安全性を確保できている学級です。
例えば,次のことで,心理的安全性が確保できているかどうかが,判定できます。
□難しい役割,誰もやったことのない役割にも,立候補者が多くいる。
□子供だけで討論をさせたとき,自由に反論を言い合うことができる。
□高い目標に挑戦している人を励ます雰囲気がある。
心理的安全性の確保の仕方は簡単?
では,心理的安全性の確保は難しいのでしょうか?
本書では,「簡単である」とされています。
なぜなら,心理的安全性の確保の仕方は,方法を理解すれば誰でもできることだからです。
しかも,
読めば納得なのですが,「ほんの少し」教師の意識と行動を変えたらよいのだけなのです。
「ほんの少し」の教師の言動を変えることで,心理的安全性は簡単に確保できます。
大切なのは,「心理的安全性の概念」と,「確保の方法」の二つを知ることです。
知ればよいのです。
新しい知識が教師の頭に入ることで,現状を分析できるようになります。
心理的安全性がどの程度確保できているのか?
それが理解できるようになるのです。
そして,「確保の方法」を知ることで,ほんのちょっとのことなのですが,明日から教師の行動が変わります。
ほんのちょっと変わるだけなのですが,子供達の変化,集団のもつ雰囲気の変化は,本当に劇的に変わります。
信じられないほどに,劇的に変わるのです。
教師をしている人も,これから教師になる人も,全員が学ぶべき情報だと思います。