七月の学校は「席替え」で終わる。(短編)
「最悪だ」と思った。高校生になってはじめての一学期が、今日終わるのだ。
入学してからの三ヶ月間はあっという間に過ぎていった。
今思えば最初が肝心だった。
中学に入学した時は、みんなと仲良くなれるよう笑顔でクラスメイトに接するように心がけていた。しかしそれが裏目に出た。最初の音楽の授業で担当の先生に一人ずつ自己紹介するよう促され、自分の番が来た時だった。クラスの男子から「"笑顔君"、笑って!」と声が上がった。その一言に周りのクラスメイトたちが笑った。僕のことを笑ったのだ