仕事はもっとたのしく、もっとずるくなっていい
この世にビジネス書はごまんとある。
その中で、手に持っておきたい何回も読み返したいと思う個人的バイブルは何冊あるだろうか、とふと考える。
私の場合は3冊。
この3冊があれば鬼に金棒な感覚になる。
その3冊のうち1冊をささやかな華金を過ごすにあたってのお供にした。
佐久間宣行さんによる『ずるい仕事術』。
もともと佐久間さんのラジオを聴いていて、この本が発売されることを知った。数々のヒット番組を作り上げるテレビプロデューサーの仕事術学べるなんてラッキーと思ってKindleで購入した。
読後に「これは電子だけじゃなくて紙でも持ってたい」と思って書店に買いに走ったのはいい思い出である。
そんなビジネス書三種の神器の1冊であるこの本をKindleでページをめくり始めたのは、このタイミングで仕事との向き合い方を見直したいと思ったから。頭を冷やして、1回客観的に見たいと思ったから。それである。
⚫いつの間にか抜け落ちていた楽しそう感
この本の一番最初のトピック「楽しそうを最強のアピールにする」を目にした時、「…出来てる、か??」と思った。「あちゃ〜」とさえ思った。
仕事を楽しそうにしてると、周囲に伝播する。佐久間さん曰く、その仕事がやりたかったのPRにもなるし、任せてくれた上司への感謝へと繋がってメリットだらけと教えてくれた。確かに「おっしゃる通り」だと思った。
折角希望していた業界に入ったのに、最近たのしく仕事が出来てるだろうか?とふと立ち返る。先月からの案件がなかなかにヘビーで自分の持つ仕事の割合がガラッと変わった。タスクを粉々にして細分化して、やっと優先順位が見えてくるようになって、午前中に終わらせよう、午後にはなんとか、今日中に終わらせようとスパンスパンとタスクに終わらせていく。そんな日々になんら疑問を抱かず続けていて、ふとこの本を読んで問いかけられて何も言えない自分がいた。
自分自身で楽しそうに働けてる!と自信もって言えてないことにハッと気づけた。今までガッツリ触れてきてなかった分野の案件だから、失敗とか躓きはあれど新たな学びが更新されてく側面もある。あるんだけど、1日8時間、残業しても9時間の労働時間の中では圧倒的に時間が足りなくて切羽詰まってしまう。慣れてない進め方をするので、その道の人よりも2倍もの時間がかかるから、終わったらはい次をしないといけない状況に陥っていた。
楽しそうに働くは周囲の人にも自分自身にもプラスにしかないと思ってる。切羽詰まってたり、不機嫌なまま仕事をしてるとだんだん考えも後ろ向きになるし、周囲のマイナスなところにも目を向けるようになってしまう。かける言葉もマイナスを含んでしまう。
楽しそうに働くって、一見ハードルが低くて誰にでも出来るようで意外と抜け落ちてる側面なんだなと気付かされた。貪欲に新しい分野の知識を吸えて、きっとあと少しすれば2倍かかってたところは半分の時間になるところだ。
1歩ずつまたリスタートして行こうという気にさせてくれた。
⚫言われないと気づかないことをコツコツと続ける大切さ
最初のトピックから出鼻をくじかれた『ずるい仕事術』。この本の良さって「業界問わず言われてみれば確かに!となるけれど、言われないと気づかないポイントを拾ってくれた」ところなんだと思う。
本の構成として、「仕事術」「人間関係」「チーム」「企画術」「マネジメント」「メンタル」の6本の柱がある。別の業界ずっと身を置いてる人だし、ゴリゴリにクリエイティブなことして突飛な番組を作る人によるビジネス本だからと1歩引いて見ていたのにあれもこれもどれも「言われてみれば確かに」しかないことに気がついた。抽象的に見れば、日々の仕事の中に思い当たる節があるのだ。
そして、「言われなければ気づかなかったこと」をそのままにしたり怠ることなくコツコツと継続していることも文面からひしひしと感じられる。塵も積もれば山となると言うけど、まさにそんな感じ。楽しく働く姿勢もタスクが積み重なってしまうとあっという間に崩されてしまう。やっぱり続けられるって強い。
忘れかけていたものを思い出させてくれて「明日も頑張ろう」と思える1冊に出会えたことは、ラッキーだと思う。
やっぱりビジネス書三種の神器は、私を助けてくれる。