見出し画像

『色彩心理』 日本ならではの伝統色を感じる。そこにあるのは、時代背景から見える”日本人”としての”在り方”を考察Part③

これは5年程前に流行った色彩テストだが、ドレスだ。皆さんにはこれは何色に見えるだろうか?
「青と黒」? それとも「白と金」?
過去に、英国人女性がブログに投稿し話題になった有名な画像。ドレスの色が人によって「青と黒」「白と金」かに分かれる不思議な現象が起きることから、世界中で論争があった。記憶に新しい人たちも多いだろう。

世界中を駆け巡った「ドレスの色」論争

ある人は「青と黒」に見える。別な人は「白と金」に見える。「青と黒」に見える人の方が「白と金」に見える人よりも多いというアンケート結果もあったという。
ちなみに実際のドレスの色は「青と黒」。「白と金」のドレスは通常生産していない。つまり、「白と金」と答えた人はドレスの色を勘違いして認識していたことになる。

どうして、同じ画像を見ているのに見え方が違ってくるのだろうか?

背景には興味深い人間の知覚のメカニズム「色の恒常性」という錯覚現象が関係している。
「色の恒常性」とは、人がものを見る際、無意識に光の影響を補正して色を見ようとする視覚の働きのこと。夕焼けのようなオレンジ色の光や蛍光灯のような青白い光が当たっていても、人はその光に影響されずにバナナは黄に、リンゴは赤に、ピーマンは緑に見える。

画像1

これは金閣寺の画像だが、元々の金閣寺を映像・実像でみたことがあるヒトは、”金色”に見えるだろう。しかし、元の色をみたことがない人にこの映像を見せたら、何色に見えるだろうか。灰色?くすんだ色に見えるのではないだろうか。金色に見えるのは、我々が光の色を脳内で補正して見ているためだ。人には環境になるべく惑わされずに本来の色を見ようとする習性がある。

光をどう判断するかで色が変わる

写真やイラストなどの条件次第では、こうした光の状況が正確に分からないまま、脳が間違った補正をかけてしまうことが起きる。これが、人によって色が違って見える不思議な現象を引き起こすようだ。
冒頭のドレスの画像に戻ると、周囲の光のとらえ方次第で色の見え方が違ってくるのにお気づきだろうか?
右上の光に注目してほしい。これを「後ろから強い光が当たっている」と判断した人は「ドレスが影になっているので実際にはもっと明るいはず」と考え、光をより明るく補正する。だから「白と金」に見える。なるほど。
逆に「手前からもしっかりした光が当たっている」と判断した人は「ドレスは実際にはもっと暗いはず」と考え、光をより暗く補正する。だからドレスが「青と黒」に見える。こうして色の見え方が大きく違ってくる。
ドレスの画像は、周囲の光がどちらにも判断できるほど実に「絶妙な色合い」に仕上がっているのだ。

画像2

それがこちらだ。どうだろうか。左側をみると、白・金に見えなくもない。


違う色に見える“だまし絵”

さらに不思議な画像を見つけたので紹介。

画像3

画像のAとBはそれぞれ何色に見えるだろうか?

「Aは黒、Bは白」と答えた人は不正解。実はAもBまったく同じ色だ。

これはマサチューセッツ工科大学(MIT)のエドワード・アデルソン教授が作成した有名な画像で、しばらく前にSNSで話題になった。原因は「色(明るさ)の恒常性」だ。
画像の中でAはチェッカー盤の黒い部分で明るい場所にある。一方、Bはチェッカー盤の白い部分で円柱の影になっている。こうした状況から、人はBの色の方がもっと明るいはずだと判断し、脳内で光を補正して見ているのだ。
だから、AとBは同じ色なのに違うように見える。この画像は光や色の配置など周囲の状況からAとBの色を異なって見せようとした“だまし絵”なのだ。

少女の左右の目 違う?同じ?

以下の画像をご存知の方もいるだろうか。左右の目の色がそれぞれ何色に見えているだろうか。左から、青?黄?赤?

画像4
※画像は立命館大学の北岡明佳教授作成


向かって右の目はどの画像も灰色。だが、逆側のフィルターがかかった方の目は左の画像から順番に青、黄、赤(かんざしの色もそれぞれ青、黄、赤に着色)。ところが、実際は左右の目はまったく同じ色なのだ。

なぜ違う色に見えるのだろうか?

同画像を作成した北岡教授によると、これも「色の恒常性」や「色の対比」などの錯視が関係しているという。やはり周囲の光やフィルターなどの影響から色が異なって見えるのだ。

これが色の恒常性で、視覚心理物理学という科学で判明している。つまり、目で色を判断するのではなく、心=心理的な物でみることが人間の特性らしい。

精神を安定させる働きが『自分がどうみたいか』という心理がものに明るさを決めるということであれば、私たち、人間がみている”色”は、まず持って誰が決めたことなのだろうか。先人たちは、どのように『赤!』『青!』『黒!』という言葉=言語を決めたのだろうか。

私たち日本人は、黄色人種を言われるが、じゃあ、体は黄色か?誤解が内容にしておくが、白人・黒人と呼ばれるが、確かに我々が認識している『白』『黒』に近しいが、実際は違う。

一般的に、『肌色』と言われる色があるが、私たちが認識している”肌色”は世界中では当てはまらない。脳で判断しているのだ。

日本人は、江戸文化の歴史的背景で、くすんだ色があまりにも普及し根付いたために、外国で見かけるような、カラフルでビビットな色は比較的避けている。これは戦時の歴史も関係するであろう。その後の高度経済成長は、どこか無機質なイメージが日本にある。オイルショック、その後のバブルで”色”が『弾けた』。

画像5

あれから30年。今の時代は、『何色』に読者に映るだろうか。
インターネット・情報化社会・混迷する経済・コロナ。。その裏で世界がどのような状況かはニュースになってこないが、混沌としている。平和であり続けたい日本は、緑とか、青とか、桃色や黄色のような、明るいイメージであろうか。
私見だが、『涅色(くりいろ)』のような社会だ。

画像6

『正見』で説明した、ありのままにみることができるような社会・生活になるだろうか。栄華に溺れる事はまずないだろうが、日本人としての誇りを忘れずに過ごしていきたい。

ではまた!(o`・ω・´σ)σ Уo!
ところで、上のドレス、今振り返ってみたら何色に見える?

いいなと思ったら応援しよう!